6月30日 恋愛資格なし 

数日前10代の女性が家の前で刺殺されるという事件がありました。犯人は彼女と以前付き合っていたことがある男だとのこと。彼女が別れ話を持ち出したことから彼女に付きまとい「どうなってもしらないぞ」と脅迫するので警察にも相談し、父親が送り迎えをしていたようです。基本的に恋愛は振ったり振られたりするのが常。恋愛ゲームなどというつもりはありませんが一回の恋愛が成就出来る人の方が少ないと思います。若いうちは失恋して人は成長していくものだとも思っています。彼女を好きになり好かれそして別れ何度も悲しみのどん底に落ち込みました。これは相性なのでどっちがいいとか悪いとかではなく自分を卑下することも相手を恨むこともありません。失恋当初はこの悲しみはずっと続くなどと思いますがまた誰かを好きになったらそこに夢中で前のことは概ね忘れてしまいます。「♪過ぎ去れば思い出になる」という歌がありますが彼には恋愛資格なし。

6月29日 ピーター・J・マクミラン

この方翻訳家とのことで国際協力機構の文化担当講師として東欧、ジョージアなどで万葉集、百人一首、芭蕉などについて講義をしたりNHKワールドJAPANの番組「Magical Japanese」にレギュラー出演し日本語を通して日本文化を案内しているとのこと(日経:人間発見)ですが私は全く知りません。ただ撮影にも使っている京都の家は、フェイスブックに載った憧れの小倉山の古民家に惹かれ新幹線に飛び乗り即決。明治時代の日本建築で小さな庭や竹林もあり、西行井戸が残っており藤原定家の時雨亭が周辺にあり芭蕉の京都滞在中の住まい落柿舎もあるんだとか。自宅で仕事をしているとピタピタという音で雨かなと思ったら竹の葉からしずくが落ちる音だった。この時期竹は落葉し緑色の葉が芽吹く。竹が新しい生命の喜びを感じ、涙していると想像し「竹の涙となずけた由。これが彼のオリジナル原稿としたら今時滅多に目にしない日本の香りが一杯。

6月28日 ずーっとずっと大好きだよ

日経夕刊を読んでいたら小説家の松浦寿輝という方が「ありがとう、そしてさようなら」という題で愛犬との死別を語っていました。マルコは人間が大好きで沢山の人たちから愛され、ひたすら明るく、、今頃は犬の天国に到着して陽光あふれる広い草原で楽しく遊んでいることだろう。病気を治してあげられなくて本当にごめんね。もったいないほど幸せにしてくれて、本当にありがとう。また会えるといいね。との溢れる思いを吐露。私はふと娘が小さい頃ねる前に何度も一緒に読んだ「ずーっとずっと大好きだよ」という絵本を思い出しました。小さい頃から一緒に育ったエルフィーが老衰で亡くなりました。勿論僕はとても悲しくて、家族もみんな悲しんで。でも僕は少しだけ気が楽になりました。毎晩寝る前に「ずーっとずっと大好きだよ」と言っていたから。私は先日娘が落ち込んでいる時同じ言葉をかけてやったら「こっぱずかしいけど ありがとう」と返ってきました。

6月27日 育児はワンオペに向かず

昨日の日経コラム「春秋」に「人間の育児はワンオペに向いていない」という生物学者高橋祥子氏の言葉が載っていました。彼女は出産して赤ん坊の弱さに驚いた。食料を探して食べることも危険から逃れることも出来ない。「こんなに弱い哺乳類はほぼいない。よく人類が増えたなというのが生物学者としての最初の感想」だという。これをカバーするのが集団育児で脆弱性はかえって進化上のメリットにもなった。弱い状態で産みゆっくり育てる環境を整えた結果ひとは脳の発達に15年もかけられるよになり知性を伸ばすことができた。つまり人間の育児は集団生活が大前提になっている。この生物学的な子育ての仕組みと育児家庭の大半が核家族というギャップが少子化の原因であるという。ならば子育ての負担を社会全体で賄うのは必然だとも。「育児はワンオペに向いていない」という科学から導かれた真理を唱えれば為政者も育児に悩むひとも眼前の霧が晴れると。至言。

 

6月26日 読売歌壇栗木京子

今週は栗木さんが推す3句以外から。「懸命にそして静かに父は今百一回目の夏を迎える:夫馬 和子」実は義父が先日98歳になりました。彼はもう数年誤謬性肺炎ということで入院していますが義弟の話によると身の回りのことは全部自分で出来るし頭もごく普通、言葉も生粋の博多弁でしゃっきりしているようです。この間長いこと空き家になっている自宅をもう住むこともないので処分してくれとの話がありました。錠はしてあるのですが泥棒に入られ茶道具や亡くなった義母の宝石などがなくなっているようです。またハクビシンらしい動物のフンもみられるとのこと。切り出しにくい話だし義父が亡くなってから処分すると相続が面倒になるのですが、まだ頭がしっかりしている彼から話が出てきたので次男が手続きを進めているようです。若い時から頑固一徹だったという義父もその片鱗は残しながらそれでも随分丸くなり子や孫の見舞いを楽しみにしているようです。

 

6月23日 友からの便り

昨日横浜に住んでいる友人から「今日すれ違ったの分かった?」という文章とともに写真がメールされてきました。見ると確かによく似ていますが私は白内障の手術以降メガネが不要になったし最近は上着をきることもまずないので人違いではないのと返しました。がすぐに「とてもよく似ているがもしその写真が「オレ」だったら今ここにいる「オレ」はいったい誰なんだろう!?」と追加しました。まもなく「冗談 この人は後藤雅洋というジャズ喫茶の著名人 でもそっくりでびっくり」と入って来ました。悔しいじゃありませんか。彼は横浜、私は松戸だしいくらボケてもすれ違ったらまず分かる筈なのにまんまと彼のドッキリに引っかかってしまったのです。後から落語の「らくだ」を引用したしゃれをかましたのですが時すでに遅し!ジャズ雑誌でもめくっている時に「あいつに似てるな」と久しく会っていない私の顔を思い浮かべたのでしょう。かまってくれてありがとう。

6月22日 アガパンサス

ぼちぼちアジサイの旬が終わろうとしています。昨今は以前には見られなかった白、ピンクなど鮮やかな色が沢山出てきましたがやはり梅雨時に合うのは「青」です。ところで「青」といえば最近あちこちの庭でアガパンサスをみます。南アフリカ原産というこの花、背丈は1m程で分厚い葉が下の方にありそこからすーと伸びた茎の頂上に小さなユリ状の花が放射状に咲きます。色の種類はいくつかあるようですがよく見かけるのは紫っぽい青か薄い青です。その形から英名をアフリカンリリーというようですが名の通り花は上品で立ち姿は柳腰の女人でもいうのでしょうか全体がとてもすっきりとしています。アジサイとはまた違った魅力的な梅雨の花です。物の本によると丈夫で育てるのに手間がかからないのだそうで家の近所でもアガパンサスが4,5本咲いている庭が数軒ありますし最近では公園や植栽にも多く使われていますので気を付けているとあちこちで見られます。

6月21日 夏至

今日6月21日は夏至です。一年で昼の長さが一番長い日です。朝も随分早くから明るくなっています。夏至には冬至のようなイベントはあまり聞きません。今日はたまたまこの時間晴れていますが梅雨の時期ですので何事をするのも鬱陶しいのでしょうか。正岡子規の句に「のびきって 夏至に逢ふたる 葵かな」というのがあります。長く結核で寝こんでいた子規は、この時期ぐんぐん背を伸ばし花を下から付けていく葵の花が茎の上方に咲きようやく見えるようになった今日夏至の日にという感慨ですね。また葵の花を見ることができたといった生きていることのの実感なのでしょうか。また「夏至過ぎて 吾に寝ぬ夜の 長くなる」とも詠んでいます。これからは夜が長くなっていきます、痛みで眠られない夜 長い夜になっていくなあ という詠嘆。普段昼の長さだとか考えたこともないのですが季節の移ろいにこれほどの感慨をもった子規の苦しみを改めて思い起こしました。

6月20日 大賀ハス

18日の日曜日千葉公園に「大賀ハス」を見に行きました。この花は早朝に開花し10時頃までなのでいつもはまだ寝ている7時に起き30分ほど早朝ドライブをして着きました。今が旬だというのは新聞、テレビなどでも報じらているので大勢の花見客がスマホを持ち、望遠レンズを付けたカメラマンなどが思い思いの場所で鑑賞しています。ところで「大賀ハス」とは70年ほど前千葉県にある東大検見川グランドで大賀博士を中心としたグループにより発見された約2,000年前の古代蓮の種を発芽、開花させたものです。今では全国各地にその子孫が愛好家の目を楽しませているようです。当日はボランティアも沢山参加して花の説明をしていました。花の香りを嗅いでいると説明を求められたので「ほのかに甘いとても上品な香り」と答えるともっと具体的にと言ってワイン通の人がするような講釈を始めたので少し興ざめ。まだ蕾が多く来週あたりが満開のようです。

 

6月19日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「ファミレスでローマという名のロボットがピザ運び来てピタリと止まれり:高山 豊子」私はこのロボットにはお目にかかったことはありませんが回転寿司屋で、あるいは違うファミレスで、あちこちでいろんなロボットに出会います。ただの運搬機みたいなものから子供が喜びそうないでたちのものまで様々な恰好をしています。注文はテーブルに置いてある端末で行いロボットが食事を持ってくる、何か用があるときはベルを鳴らすことになっており店員さんと話すことはほとんどありません。これですと人員が削減できます。わざわざ高い人件費を使って店員さんが食事をもってくる必要はまったくありません。私は若い人がこういう接客業につくのはちょっともったいない気がしています。どうしても人出が必要な厨房には時間を調整しながら働きたい人、意欲のある高齢者で賄いホールサービスはロボット大いに結構です。この作者は少し驚いている風情ですが。