10月11日 読売歌壇栗木京子

今週の栗木氏の選は「鹿児島で買ったみやげのかつお節まるで縄文の石の包丁:甲斐田祥」この方奈良の11歳の小学生。なんとも素直な歌です。これは栗木さんでなければ選ばないような気がします。思った通りを口に出るままに歌にしたような感じです。確かにあの黒っぽい硬い先のとがった形は縄文の石包丁です。学校で習ったのかそれとも考古学が好きで知っていたのか、この場面で出てくるのがうらやましいな。修学旅行で鹿児島に行ったのでしょうか。枕崎は日本有数のかつお節の産地なのできっと修学旅行の日程の中に入っているのですね。こんなに素直に感じたままを表現できればいいな。素直といえば栗木さんの若い頃の作品に「退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らずさよなら京都」という私の大好きな歌があります。素直という言葉以外にはこの状況を言い表せない、そんな言葉です。歌の流れも実に素直で多分栗木さんの性格そのままなんだと思います。

10月7日 松戸の不明女児発見

9月23日から行方不明になっていた松戸の小学1年の女児が10月4日に江戸川を15km下った市川の河川敷で見つかりました。DNA鑑定などから本人であることが特定されたようです。遺体には事件性をうかがわせるような外傷はなかったとのことですがまだ不明な点がいくつかあります。お母さんと約束した場所とは違う公園に行ったこと、水が嫌いだったというのに川に行ったこと、土手から川まで急な崖になっているのに何をしに行ったのかなどなど。親御さんは海に出てしまえば発見がとても困難になってしまうのでよくぞ河川敷にとどまっていてくれたと悲しいコメントを出されています。事故なのか事件なのかまだはっきりとはしていませんがかわいい盛りの女の子を亡くした親御さんの心痛はいかばかりか。子供は心の赴くままに行動するので親の手が届かないことも一杯あります。それでも親としては自分の責任だと抱え込むのでしょうが、、、。

10月6日 冷え込み

今日は終日少し寒いくらいでした。昨日から通勤時は長そでシャツに上着を着始めたのですが今日はそれでちょうどいいくらいです。最高気温は朝の15度でこれからもっと冷え込み夜は10度近くになるようです。数日前までは半そででもよかったので本当に突然の変わりようです。大陸からの寒波が日本を覆い太平洋側で前線が出来雨となり気温も下がったようです。昨晩の予報で北海道の山間部では雪もあるかもなどと言っていましたがどうだったのでしょうか。先日大雪山の紅葉をテレビでやっていましたが本州とは違いいわゆる「もみじ」より草紅葉が圧倒的に多く「チングルマ」の真っ赤な色を中心に様々な色の草が錦を織りなし本当にきれいでした。那須で草紅葉を見たことがありますが大雪山のは広大で傾斜も緩やかでそれは見事でした。年半分以上の期間で雪が積もっているのでこの景色はほんのつかの間に植物が子孫を残すための生き残り対策なのですね。

10月5日 AI一茶くん

日経MJに「川村秀憲のなるほどAI」というタイトルで面白い記事が載っていました。このかたは大学の研究室で人が詠んだ俳句を教師データとして用いディープラーニングに様々な工夫を加えることで徐々にAIで俳句を生成できるようになったとのこと。「AI一茶くん」と名付けられた彼(彼女)は漢字交じりの現代俳句およそ40万句を教師データとして用い今では1億句以上作っている。中には「さみだれや貝がらなどの跡少し」などとそれなりの形式になっている作品もあるようです。ところがAIに選句させるのに難航している、人間だと詠むのは難しくても好きな俳句を選ぶのは気楽にできそうだがAIは逆。AIは人生経験に照らして俳句の意味や意義などを理解できないため俳句の価値をちゃんと評価できないのが理由。まず句会で人と対等に会話することが出来るようになり人の価値観に沿った言葉で相互作用できるAIを実現することが真の狙いとのこと。

10月4日 村上選手の快挙

昨晩セリーグの最終戦ヤクルト対DNAの試合で日本記録まであと一本というところで足踏みしていた村上選手が最終打席でホームランを打ち王さんの55本を破りました。記録に並んでから60打席ホームランなし。55号まであれほど快調に打っていたのだがこれがプレッシャなのでしょうか。試合を見ていた人は鳥肌が立ったといいます。ある人は「もっている」などと表現しますがそんな簡単なものではないでしょう。きっと村上選手はとんでもない目に見えない圧力に押しつぶされそうになりながら「出来る、出来る」と思い続けていたことでしょう。決して諦めないそして何度も「平常心」でと思ったことでしょう。偉大な先人たちも土壇場になったときにどれほど物事を達成することが難しいかということをしっていたから敢えて「平常心」と口にしたのでしょう。決して運でもなければ偶然でもなく土壇場にいた彼はその状態に勝ったのですね。すごい人です。

10月3日 読売歌壇栗木京子

今週の選は「母よ母よムクゲの花の咲きたるぞ底紅愛でしあなたを思う:恒川鋭夫」これにはとても共感します。私の母は花カイドウが大好きでした。生前何故好きなのかを聞き洩らしたのですが梅でなく桜でなく桃でもなく花カイドウというのが母らしいと思います。派手でごてごてしているので私はあまり好きになれないのですが、我が家のほんの小さな庭にも植えました。毎年うるさいほどの花をつけます。そのたびに母を思い出します。もう命日くらいしか思い出さなくなったのですがこの花が咲くと若くてきれいだったころの母が目に浮かびます。亡くなっても母は女なのでしょうか本当にきれいだったころの顔でしか現れません。男はもしかしたら私が特別そうなのかもしれませんがいくつになっても「母っこ」です。働き詰めでほとんど遊んでもらった記憶がなく花に思いを寄せるといった趣味もなかった父親は申し訳ないのですが思い出すきっかけがあまりありません。

9月30日 富士山の初冠雪

今日9月の最終日。だからといってなんてことはないのだが日経夕はに「富士山、ほんのり雪化粧」とタイトルをつけていました。平年より2日早く、昨年より4日遅いのだとか。気象庁のアメダスによると標高3,775mにある観測点は29日午後11時に氷点下1.1度まで冷え込んでいたそうです。大体100m高度が上がる度に0.6度気温が下がると習った記憶がありますが関東の平地ではこのところ夜中は大体22,3度なのでいい加減な記憶もあってそうです。いつまで富士山に登ることができるのか知りませんが氷点下になると富士登山はもう素人には無理なんでしょうね。遠くから見ているのには頂上付近の「雪」は欠かせませんが。色んな画家が富士山を書いていますが定番は雪をかぶった秀麗な姿です。目をつぶって思い出すのもあの姿です。もうしばらくすると稲毛海岸からも東京湾を隔て横須賀の向こうに浮かんでいるのが見えるようになります。

9月28日 小さい秋

今週から上着を着始めました。朝晩が急に涼しくなったのと、にもかかわらず低すぎる電車内の空調対策です。あんなに暑かったのにそして昼間は相変わらず結構な気温なのにいつのまにか季節が移ろうとしています。そういえば私が仕事をしている建物の入り口に差し掛かると懐かしい香りがかすかにします。勿論私の老臭とも安物のコロンとも違います。周りにはいろんな植栽があるのですがそれらしいものは見つかりませんが明らかにあの香りです。私の家の銀木星には小さな花がポツポツつき始めましたがまだ鼻を近づけてもなんのくすぐりもありません。さらにお隣には毎年しっかり花をつけ我が家にも香りのおこぼれをくださる木にもまだまったくそれらしきものはありません。でも会社の敷地内のどこかに香りの主がいるはずです。長かった夏もようやく終わりに差し掛かり私は目には見えない花の香りに秋がそこまでやってきているのに気が付きました。

9月27日 彼岸花

毎年この時期には松戸祖光院の曼殊沙華を取り上げます。ここの花は庭木屋さんが管理しているせいでしょうか例年とても見事に咲きます。新京成常盤平駅から歩いて10分程のところにあるこじんまりとしたお寺ですがこの時期には駐車場が満杯になります。皆さん曼殊沙華目当てです。ここのは赤だけでなく白、黄色そして最近はピンクまであり所謂「映え」がするところです。といいながら私はとても忙しく今年は見に行っていません。道沿にあるので一部覗けるのですがもう時期が遅いようです。私は曼殊沙華というと「曼殊沙華どれも腹出し秩父の子:金子兜太」の句を思い出します。実際に何度も秩父の曼殊沙華も見に行っています。畑に見える花は鑑賞用ではなくあぜ道にポツポツと咲いておりいかにもお腹丸出しの子供たちが顔を出しそうな雰囲気です。私は何十万本と植わった巾着田もいいのですがどちらかというと田舎道に静かに咲いている方が気に入っています。

9月26日 読売歌壇栗木京子

さて今朝の読売歌壇栗木京子選は「デパートの子供服売り場はしごして初めて知りぬ孫の好きな色:山田陽子」また勝手な想像ですがこのお孫さんは山田さんの初めての孫なのかな。そうなんです小さな子供には大好きな色があるのです。服、靴下、靴。タオルなど身の回りすべてをこの色にする子もいます。町を走る車でも好きな色にすぐ気が付きます。私などはたまたま孫の好きな色:緑:の車にしたらまあ喜ぶこと。「うれしい」などととろけるようなことを言います。みどりのハンカチはどんな時も放さず持っています。人様にこんな話をするのはとても恥ずかしいのですがこんな歌を見てしまったので結局私の孫の話になってしまいました。勿論栗木さんは他九つの歌を選んでおりこの歌は私が勝手に取り上げているだけなのですがきっと栗木さんも私と同じような気持ちになったのではないでしょうか。年のころも近いようですのできっとやさしいおばあちゃまなのでしょう。