1月7日 自分らしさの罠
今日の日経夕刊「プロナード」に古谷田奈月さんという小説家の文が印象的でした。「自分らしく生きよ」という考え方はいいのだがそれを獲得した(あるいはように見える)後誰も何も忠告しないし本人も答えが出たと思っているから警戒せずに突き進み穴に陥る。彼女(多分)の場合は創作にてこずり全く書けなくなり頭の中はマイナス思考で埋め尽くされうつ病の一歩手前まで行った。休むべきなのは分かっていたがそれでも誰かに打ち明けることは「自分らしくない」さらにそう思われることが怖かった。「らしくない」自分を受け入れられず自分で自分が信じられなかった。何とか力で乗り切ったがあんなことは二度としてはいけない。その後自分らしさをうんとゆるやかにイメージしている。空白の部分を広くたっぷり持てるように。自分自身とはいえまだ知らない顔だらけなのだからつかず離れずちょうどよい距離感で付き合っていきたいと結ぶ。示唆に富む内容でした。