8月11日 お盆

私は一足先明日から盆休みに入ります。といってもコロナ禍で墓参り以外スケジュールはありません。両親が亡くなり千葉にお墓を移してもう14,5年になります。お墓には両親、祖父母が入っています。無宗教で信心はまるでないのですが両親の命日、お盆には墓参りをするようになりました。先日娘から我が家の家系図はないのかと尋ねられました。勿論そんな大層なものはありませんし先祖のことをあまり語らなかった父からもほとんど歴史は聞いていません。ただ大昔本籍が居住地の小倉ではなく東京市小石川だったのを覚えています。当時小石川にあった東京砲兵工廠が小倉に移った時に祖父母が集団で転勤してきたようです。祖母は埼玉出身で彼女が亡くなった後その弟の葬儀に父の名代で参加し初めて親戚と対面しました。といったところまでは分かりますがそれ以前はもうわかる由もありませんがいい機会なので知っている範囲の歴史を娘に教えてあげようと思います。

8月10日 オリンピック閉幕

東京2020オリンピックが終わりました。やはり世界中のトップクラスの選手たちが競うのですからどの競技も素晴らしかった。一所懸命頑張ってきてその成果が出た人、死ぬほどの練習をしてきたのに勝てなかった人たち、土壇場まで自信を持てなかった選手が決勝の入場は笑顔だったり、ずっと強気一点張りだった人がスタート前に顔面蒼白だったりと色んな表情を見せてくれました。中でも柔道の大野選手、女子1500の田中希美選手、女子水泳の大橋選手、空手の喜友名選手がお気に入りです。大野選手は大苦戦の中一瞬のスキを突いた技、冷静にレースを運び2種目で優勝した大橋選手、田中選手は予選から決勝まで積極的な走りで出る度に記録更新、あの目の迫力、スピード、漲る力きっと優しいのでしょうがあまり街中ではすれ違いたくない喜友名選手。選手は皆それぞれにこれまでの物語があるのでしょうがそれよりも本番の試合で見せた凄まじさは心に残りました。

8月6日 原爆記念日

1945年8月6日南太平洋テニアン島を早朝に飛び立った3機のB29のうち「エノラ・ゲイ」が8時15分広島上空で原爆「リトル・ボーイ」を投下し一瞬にして16万人ともいう人たちが犠牲になった。その後70年以上兵器としての原爆は使用されていないと思います。多分アメリカにはその被害の詳細が残っているのでしょう、そしてその悍ましい被害状況がこれまで幾度となく起きた3発目の危機を思いとどまらせてきたのだと思います。「戦争とは人を殺すことだ」なのでしょう。「ひき寄せて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくづれおれて伏す:宮柊二」しかし正義の戦争はありません。まして兵隊でもない人々に対して。世界に向かって誓った原爆死没者慰霊碑の「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」。もし広島の被災者の方々にせめて伝えることが出来るなら「皆様の苦しみのおかげで世界中から三度目の被害者を出さずに来ています。」と。

8月5日 エアコンが壊れた

一週間ほど前からエアコンが壊れ冷風扇を付けていますが昼間は役に立ちません。この土曜日に新しい機械が入ることになっていますがそれまで他部署で涼んだり車に乗る機会を増やしたりして避暑生活をしています。それにしても昔はエアコンも冷蔵庫もない暑さの中でよくぞ生活したものですね。昼間は野球の練習、昼寝の後はまた外出蚊に刺されながらの夏休みでも夏痩せしたり食欲がなくなった記憶はありません。汗疹は随分できましたが。という思い出なのですが私の記憶が飛んでいるのでしょうか。最近は温暖化で夏の暑さも酷くなってはいるのでしょうがそれにしても涼しかったわけではなく暑かった筈です。クーラーの温度になれ冷蔵庫のお世話になりすっかり野生を忘れた現代人にはもう昔の生活は無理なのでしょう。四季があるから日本はいいね などと能書きを垂れながら実は文明の利器にすっかりお世話になっている私は土曜日が待ち遠しいのであります。

8月4日 祇園祭

今日は8月4日。ふと思い出したのですが先月の今頃博多山笠はボチボチ準備が始まっていたのでしょう。京都祇園祭も小倉祇園祭もコロナ禍で今年は中止と出ていました。私の生地北九州市では7月の今頃小倉の祇園、戸畑の祇園と続きます。小倉の祇園祭は「お祇園さん」といって子供達には夏休み中最大の行事です。親と一緒に街に祇園さんに出かけ小倉城での太鼓競演を見て、帰りにアイスキャンディーを買ってもらうのが定番でした。また全国的に有名な博多山笠は確か2週間くらいの長丁場だったと記憶しています。各お祭りの由来はそれぞれあるのでしょうが多分お盆の行事だったのが旧暦から新暦への移行の時に一月ズレたのではないでしょうか。もうすっかり祭りの時期は7月に定着してはいますが全国には旧暦でのお祭りもたくさん残っていますね。秋の収穫期を迎える前にご先祖さんを祭るといったところではなかったのではないでしょうか。勝手な私見ですが。

8月3日 下駄

昨日の帰宅途中自宅の庭から出てきたおじさんが下駄を履いていました。驚きです。浴衣着の人たちが下駄を履いているのは時々見かけますが普段では滅多に見ることはありません。私も小さいころ下駄を履いていた思い出があります。買ったばかりのものは鼻緒がかたく親指と人差し指でぐりぐり広げます。台の上に足を乗せると何とも言えない涼感があります。ちょっとカッコつけたいときはわざとカラカラ音を立てて歩きます。生家の最寄り国鉄駅(JR)のそばに下駄屋がありました。バアチャンに連れられて行き鼻緒を選んだ記憶があります。前の歯を斜めにして台とを地面に付ければ走ることも出来ました。大人になってから浴衣と下駄一式を作ったはずですが一度も身に着けていずまだ家に残っているのかしら。お相撲さんの雪駄もいいのですが下駄は庶民的な味がしていいです。といっても本当に久しぶりの下駄は一瞬にして私を遠い昔はるか彼方に連れて行きました。

8月2日 幼児の死

私は幼い子供が理由なくその命を失ってしまうことが残念で堪りません。先日も福岡の幼稚園で送迎バスの運転をしていた園長が一人の園児が取り残されていることを確認せず施錠し、夕方家に帰らないことを不審に思った親からの知らせで初めてバスの中で亡くなっていることが分かりました。熱中症のようです。園長は忙しく気がせいていたとのこと。でも幼稚園の送迎バスの大きさなど知れています。一番後ろまで見に行っても何秒もかかりません。一番後ろの状況が分からないのであれば見に行くのは当たり前でしょう。園児が登園しなかった担任の先生も休園届が出ていたと錯覚していたらしいのですが、この幼稚園根本的に園児に対する愛情がなさすぎます。親はどんなに園長を罵倒してももう子供は決して帰ってはきません。幼稚園児はようやく憎まれ口が叩ける頃でしょうか。親にとってみたら掛替えのない「宝物」です。取り返しの付かないことが起きてしまいました。

7月30日 近所の畑

通勤途中にいくつかの畑があります。毎朝どなたかが手入れをしているのもあれば放ったらかしのものもあります。手入れをしている方は色んな野菜が植わっており今朝は麦藁帽のおじさんがナスを採っていました。一方実利はあまりなさそうな向日葵、栗の木、コキアなどが植わっている畑もあります。向日葵はもう2m以上に伸び元気いっぱい、コキアは半球状に形は整っていますがまだまったくの草色。栗の木にはイガが沢山ついています。こぶしを丸めたくらいの大きさで1,2cmの緑色のトゲが覆っています。毎年熟れて落下し中に実が見えるイガが一杯落ちているのですがいつのまにか無くなっています。そういえば空地の税金対策として手のかからない栗や梅を植え農地の状態にしておくというのを聞いたことがありますがここもそうなのでしょうか。最近家の周りの空き地がどんどん宅地に変わっていくので少しは土を残して欲しいなと思っているのですが。

 

7月29日 きたやまおさむの警告

日経夕刊「あすへの話題」に定期掲載しているきたやまおさむ氏の今回の内容は「自我でやるしかない」。日本人の自我のあり方を臨床心理学者の鑪幹八郎は「無定形:不規則、統一のない、漠然とした」と呼んだ。周囲の支持を得るため意見がコロコロ変わる、敗戦後一億総自決かと思ったら掌を返したようにデモクラシーに飛びつき戦争責任も「空気」で決まったとやり過ごしてきた。昨今の官僚の忖度、コロナ対策などの例を引きながら私たちはこのような無定形を許す、つまり自分たちもそうなのだから仕方がないと。文章にも「私」という言葉すなわち自我は使われない。何も自我の無定形を自嘲しているのではない、今までは何とか回ってきたが危機的事態におけるこの国の決断は心の奥底に隠れ語られていない自我でやるしかないと結ぶ。角が立ってもこれまでは表に出てくることは美徳とされてこなかった「自我」で決断しなければ何も変わっていかないという警告。

7月28日 桂米團治公演

落語が好きでない方にはごめんなさいのテーマです。私は年2回銀座ブロッサムで公演される桂米團治独演会には必ず出かけています。彼が前名桂小米朝の時代からのファンです。親父が人間国宝の米朝であるにもかかわらず伸び伸びと育ちとても好感が持て東京落語ではあまり聞かない芝居噺や米朝が復活した古い話などを太い明るいいかにも放蕩息子が似合いそうな風体で語ります。彼は芝居、オペラが大好きで枕によく使っています。今回も京都でプロとオペラを歌ったさわりを聞かせ喝采でした。3席の内容で米朝復活の「稲荷俥」人情噺の「たちぎれ線香」最後は得意の芝居をふんだんに演じる「質屋芝居」泣かせ、笑わせ、感心させとサービス満点の公演でした。今回は三味線ふたりと称してともすればお囃子だけに活躍する三味線のお姉さんがビートルズを弾き、オペラを歌いまあこれでもかと三味の魅力を教えてくれた桂小すみと浅野美希の競演も新趣向で結構でした。