9月2日 営業担当者の雑記

先日写真展「星野道夫の旅」を見に行きました。星野道夫は学生時代に出会った一枚の小さな北極圏エスキモーの空撮写真に心を奪われ宛先を「The MAYOR」とだけ書いた手紙からその人生が始まります。星野道夫はいいます「時々、遠くを見ること。それは現実の中で、悠久なるものとの出会いを与えてくれる。」と。カリブーの季節大移動を追いかけエスキモーとクジラを待った彼は生物が生きていくということは誰を犠牲にして生きのびるのかという終わりのない選択である。近代社会の中では見えにくいその約束を狩猟民はもっともストレートに受け止めている。だからこそ動物たちに対する償いと儀式を通しその霊をなぐさめいつかまた戻ってきてふたたび犠牲になってくれることを祈るのだと言う。その彼は20年前カムチャッカ半島の湖畔でヒグマと遭遇し逝ってしまいました。命あるものに対する敬虔で愛情に満ち溢れた動物たちの写真、風景は一度見たら忘れられないものになるでしょう。5日まで銀座松屋で。

9月1日 営業担当者の雑記

今日は防災の日です。1923年9月1日正午前突如関東地方を襲った大地震。私はかつてバアサマから関東大震災について聞いたことがあります。浅草の12階が崩壊したこと、発生した大火災の為リヤカーに荷物を積んだ人たちが逃げ回っていたこと、流言飛語で大勢の朝鮮の方が殺されたことなどなど。「死ぬる子を箱にをさめて親の名をねんごろに書きて路に棄ててあり:窪田空穂」多分この世のものとは思えない地獄絵だったのでしょう。先般の「風立ちぬ」にも主人公20歳くらいの頃体験した大震災の様子が出てきました。そして2011年3月11日の東北大震災。そのたびに大勢の人の命が奪われ空穂が歌ったような状況が生まれました。一度しかない命が何とも無残に奪われそしてたった一人になった子供達、妻子を亡くし抜け殻になった男たちがいました。本当にやり切れない気持で一杯ですが自然は到底人智の及ばない力で猛威を振います。先人に学び少しでも被害を少なくしたいものです。