11月19日 梅屋敷のさざんか

最寄駅から会社までは歩いて22,3分。途中他家の庭を拝見しながら歩くのは結構なものです。会社のすぐそばには梅の時期になると少し高台にあるお宅の庭が真っ白にみえるような梅屋敷があるのですが、ここの植栽が山茶花で今朝は赤い花びらが沢山散っておりその上を歩いてきました。贅沢でしょう!山茶花と椿は同種でよく似ていますが花の時期は簡単に見分けがつきます。山茶花は花びらが散るのに対し椿は花ごと落ちるのです。ですから花びらが乱舞しているこのお屋敷の花は山茶花です。ちなみに花の首が落ちる椿は武士に嫌われていたんだとか。でしょうね。山茶花は12月頃まででいよいよ寒くなると椿が咲き始めます。分厚い緑の葉と花の少ない寒い時期に咲く椿の花は冬の象徴のように思えます。どちらも純国産で万葉の頃から親しまれていたようです。「ふと咲けば山茶花の散りはじめかな:平井照敏」もうしばらく散りながら咲き続ける山茶花を楽しめます。

11月18日 西友が楽天Gに

先日楽天と米都市ファンドがウォルマートから西友の株式85%を取得すると報道されていました。西友は1960年代に設立され当時は日本のスーパーをけん引する存在で次から次に新しいアイデアを実行に移し注目の的でした。社長は詩人でもあった堤清二氏。「無印良品」「ファミリーマート」をつくるなど業界の顔でもありました。バブルの崩壊で「無印良品」「ファミリーマート」を売却するなどして生き残りをかけましたが,2002年米の超巨大企業ウォルマート傘下に入り彼らのノウハウで再起を期しました。しかし「EDLP」は日本では馴染めずかつての競合であるヨーカドー、イオンとは圧倒的な差がついてしまい、ついにウォルマートの協力だけでは復興することが出来ずこの度楽天と「ネットとリアル店舗の融合」を加速させることになりました。いまやネット民を取り込まないと生きていけないスーパー。ますます激化する業界でどういう位置に立てるのか。

 

 

11月17日 オストメイト(人工肛門保有者)

昨日何気なくテレビを見ていたらオストメイト(人工肛門保有者)の話がありました。オストメイトは病気の為通常の便、尿の排泄が出来なく直腸、尿管から直接体の外に取り付けた袋(ストーマ)の中に貯めている人達のことです。確か亡くなった渡哲也さんがそうだったと思いますが全国で20万程いるそうです。昨日の話はオストメイトである英国人モデルが水着姿で自身を表現している姿に影響を受けた同境遇の女医さんが同じく水着姿でその姿を現し、またストーマ製作者と袋から排せつ物が漏れる、袋が透明なことなど不自由に思っていることを改善する為話し合い、さらにそれをテレビで見たオストメイトである少女が女医と会い透明な袋にかわいい模様を貼って貰い女医の活動を通じて積極的に通常生活に飛び込んでいけるように勇気をもらったという内容でした。オストメイトのことは初めて知り世の中は彼らが生きやすいようにはなっていないことを痛感しました。

11月16日 藤十郎の恋

先日4代目坂田藤十郎さんが老衰で亡くなったと報じられていました。私は歌舞伎は見たこともないし彼自身も知りません。ただずっとずっと若いころ菊池寛の「藤十郎の恋」を読んだことがあるのを思い出しました。といっても題名からの好奇心が動機で中身は全く覚えていませんでしたのでこれを機会にざっと振り返ってみました。江戸の歌舞伎役者藤十郎が新作「役者と人妻の恋」が主題の芝居を演じるにあたり実際に幼馴染の人妻を口説きその役を作り大評判を得たが役者として人の心を弄んでしまった自分に懊悩するといった内容だったかと思います。昔のことなので間違えているかもしれませんが。「芸のためなら」とか「浮気は芸に艶が出る」という言葉も聞きますが人それぞれに反応も違うのでしょうからたった一つの偽りの恋で大喝采の演技というのもすごい気がしますが。若いころから艶聞華やかだったと聞く4代目の艶技にはその経験が活かされているのかも。

 

11月13日 焚火

今朝出勤途中で山茶花を見ました。いつながらの真っ白なあるいは薄いピンクの花で清楚な感じがあります。ふと花の連想からか「さざんかさざんか さいたみち たきびだたきびだ おちばたき」と古い童謡を思い出しました。焚火を最後にしたのはいつだったろうか。最近一人で山に入り焚火をするというのが流行っていると聞きました。あまりに世の中が便利にそして物事が複雑になりすぎたので少し不自由さを味わいながら心の自由を取り戻そうというのでしょうか。「とっぷりと後ろ暮れゐし焚火かな:松本たかし」という句があります。結構好きな句です。私の勝手な解釈ですが「何かに悩むでもなく考えるでもなく一人で焚火の燃え上がる火をずっと見ていたらすっかり日が暮れてしまっていた」というのです。火は暖を取るだけでなく人の心も温めてくれます。せわしない世の中で少し心が窮屈になってきたら有り合わせの木で焚火をし無心になるのもいいですね。

11月12日 チラシ世相

今日の松戸はとても寒い。温度を測っているわけではありませんが広い部屋にたった一人でいるとジャンパーを着こんでいても寒いくらいです。コロナ対策で対面同士の窓を開けていますと結構こたえます。いよいよ冬到来なのでしょうか。ところで商売柄新聞折込やポスティングのチラシをよく見るのですが段々季節感が出て来ました。「おせち」「クリスマスケーキ」「おそうじ」の案内などあるいはボーナスを当て込んだ銀行などが目につきます。一方車の宣伝はあまり見ませんね。コロナであれ何であれ儲かっている人はいるのでしょうが多数派ではないのでしょう。また特に目に付くのが買取屋さんのチラシです。金の値段とかも絡むのでしょうが素人考えで生活費の足しに不要なものを買い取ってもらおうという人が多いのかなと思います。コロナの第三波か?というほど陽性者が増えています。それでなくとも厳しい状況下年末正月商戦もなかなか盛り上がりませんね。

11月11日 アメリカフウ通り

今日松戸市の北東部小金原団地を車で通っていたら並木が数kmに亘りまっ黄色に紅葉している道路がありました。そして標識には「アメリカフウ通り」と書いてあります。なんじゃこれは?閑静ではあるが唯の住宅街なのになんで「アメリカ」と不思議に思い調べてみました。すると「アメリカフウ」とは木の名前のことで正式には「モミジバフウ(楓)」というフウ科フウ属の落葉広葉樹で国内でも広く街路樹として植えられているんだとか。知りませんでした。もう少し立つとウニのようにとげとげした実をつけ鳥のえさになるのだそうです。それにしてもここの並木道は結構幅が広く柏方面から松戸に向かってアップダウンがあり今日の紺碧の空と紅葉が素晴らしい対比となり何とも言えない景色でした。小金原団地ではここ以外にも「けやき通り」「いちょう通り」「ニセアカシア通り」など植えられている木の名前が付いた並木道があるんですと。一度全部を通ってみよう。

11月10日 学校の銀杏

春は桜で空が見えなくなるほどの八柱の並木道。今はほとんど葉を落とし空はすかすかです。今日も車で通ったのですが妙に空が大きく見えます。並木には昔から桜、銀杏、ポプラ、ハナミズキなどが植えられていますがきっと排気ガスなどに強く町のシンボルになるといった理由からでしょう。ところで銀杏といえば代理店に行く途中の小学校で立派な木に出会いどうして学校には銀杏が多いのだろうかと不思議に思いました。併せて植えられている桜は入学式の時期に華やかな演出ができるので理解できますが銀杏?確かにこの時期黄金色の葉を付けた銀杏は目立つし大木になるのでランドマークにもなりますがあの落ち葉の量は半端じゃないし落ちたギンナンは踏むと滑るし臭いし掃除も大変そうです。その上銀杏の葉はたい肥になりにくいのだとか。代わりに上野の博物館前に鎮座している「ユリノキ」などはいかがでしょうか。花も紅葉もきれいなのでお勧めです。

11月9日 どちらがお好き

今年も紅葉狩りに出かけています。先日とても対称的な秋を見てきました。一つは赤城山覚満淵、もうひとつは秩父は中津峡です。覚満淵は湿田で泥炭の上にすすき、茅などが生い茂り私が行った時は華やかな色はなく全体的に山も淵一帯もくすんだ色です。湿田の上に板橋が設えてあり自然がしっかり保護されています。小尾瀬ともいわれているんだとか。ここは新古今秋の三夕の一つ「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ:藤原定家」の世界です。中津峡の方は紅葉の真っ盛り。急峻な渓谷に沿って千変万化の錦模様が見られます。秩父の山々が染まっており一部の山頂には雲がかかっています。ここは百人一首にも採られており、落語にも出てくるほど人口に膾炙されている「千早ふる神代も聞かず竜田川からくれないに水くくるとは:在原業平」でしょう。さてこの錦紅葉とモノクロの秋。私は気分にもよりますが派手目の方が好きです。さてどちらがお好きで?

 

11月6日 11月の鳳仙花

最寄駅から会社への道すがらにあるお宅の庭に鳳仙花が一本咲いています。鳳仙花は夏の花だったと思いますが11月に入った今なお白い花をつけています。このところは結構涼しい日が続いていますので季節間違いというわけでもないのでしょう。なんだか不思議な感じで見ています。私の好きな俳人飯田蛇笏の代表作に「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」というのがありますがこの鳳仙花はまさに同じような情景です。夏は涼やかな音色で暑さを和らげてくれていた南部鉄か何かで出来たくろがねの風鈴が秋になってしまうとその色、音色は何とも言えない感傷を呼び覚ますとでもいった句だと解釈してます。この時期の鳳仙花もなんだか一本だけ取り残され夏には元気のいい花だと思っていたのが今では少し寂しい感じを受けます。爪に鳳仙花の汁を塗り初雪が降るまで色が残っていたら恋が実るという言い伝えがあるんだとか。艶っぽい話ですが私には縁がなさそうです。