12月7日 はやぶさ2

コロナ、コロナで社会がなんだか窮屈になりいい話もあまり聞かなくなった今。昨日の未明はやぶさ2が6年間に及ぶ宇宙の旅を経て「小惑星りゅうぐう」のかけらが入ったカプセルを地球に投下しオーストラリアで無事回収されたとの報道がありました。プロジェクト責任者は「完璧だった」と。前回のはやぶさ1号が何回もトラブルに見舞われた末それでもよれよれになって地球に帰ってきたが今回「初代はやぶさの借りを返した」とも。あまりに途方もないことで宇宙のこともプロジェクトのち密さもまるで分っていないド素人からすればただただ「信じられない」としか言いようがありません。何億kmとか遠隔操作で地球の反対側の針に糸を通すようなものだといった比喩でも実感がわきません。事ここに至るまで何回も事故を想定しその対策を考えてきたからこその言葉にはもう称賛しかありません。さてこの玉手箱の中からどんな宇宙の神秘が出てくるのかワクワクします。

12月4日 整枝

私の仕事場は本社からほんの少し離れた別棟です。ここは駐車場との境にカイヅカイブキが30本くらい植わっており1週間前から庭師が入り整枝していましたが今日ほとんど終わりました。カイヅカイブキはゴッホの糸杉のように螺旋状の形になっています。背が高く遮蔽物としての機能も十分ですし姿もいいし強く手がかからないようです。切った枝は清涼感のある香りがします。また本社の門わきに植えているコロラドイブキも整枝していましたがこちらは下に行くにつれ広がった樹形にしています。青みがかったグレーであんまり見ない色です。原産地では壮観な眺めなのでしょうが一本だと上品で穏やかな感じがします。それ以外にもトキワマンサク、キンポウジュ(ブラシノキ)もすっきりしました。こうやって丁寧に整枝しておくと春になって枝が伸びだしてもある程度整った形を保てますね。彼らの冬準備は完了しましたが私の商売は正視できる状態ではありません。

12月3日 餅搗き

今朝会社に来る途中のお米屋さんの入り口に「のし餅承ります」とありました。そうですねもう正月用餅の季節になったのですね。昔実家には「賃搗」といってこの時期になると三人一組の餅つき屋さんが近所を回っていました。彼らの杵は通常のものより一回り小さく、つく人が三人いるので「ペッタン ペッタン」というリズムではなく「ペッタン ペッタン ペッタン」であっという間に一臼搗きあげていたのを思い出します。搗き立ての餅を大根おろしに醤油を垂らして食べるのは最高です。のし餅には豆や海苔を入れたり赤く色を付けたのもあったように思います。まずは雑煮でさらに暫くは焼餅で、餅が固くなると小さく切りあられにして油で揚げたり焼いたりして食べていました。丸めて黄な粉を付けたりあんこを入れたりもしていました。最後はカビを洗い水餅にしていました。今では見かけなくなりましたが餅つきの雰囲気は大好きで今でも鮮明に覚えています。

12月2日 年賀状

私は結婚後は毎年自分で彫り刷った版画で年賀状を出しています。前職時代の先輩からは毎年自筆の絵が描かれた年賀状が来ていました。この方は学生時代から絵心があり気に入った風景をさらさらっと水彩で仕上げていました。本当に素人とは思えない出来栄えでしたがその彼はもう毎年何百枚も年賀状を書くのはしんどくなったので今年で止めると書いてありました。私のは本当にチンケなものでして自分で彫り刷っているというだけが取り柄で大層なデザインでもないのでこれからも体が丈夫な限り続けようと思っています。ところが最近版木を売っている店がなくなってきました。数年前閉店したロフトで買った在庫がなくなり思いつくままに電話しましたがどこも扱っていません。松戸の画材店にようやく在庫があることが分かり明日にも買いに行こうと思っていますが皆さんPCを使った年賀状あるいは年賀状そのものもだんだん書かなくなってきたのでしょうね。

12月1日 シュトーレン

今日から12月。昨晩帰宅したら恒例の「シュトーレン」が買ってありました。子供たちが家を出てからは例のラウンドケーキは止めもっぱらこれです。クリスマスまでにもう一つ追加することもあります。情報誌に出ている他店のも買い食べ比べしたこともありますが我が家ではもっぱら日頃から重宝しているケーキ屋さんのものです。ここのケーキはまずはずれがありません。名物のシュークリームは焼き立てでないとすぐふにゃふにゃになるせいだと思いますが「岩シュー」と称しビスケット生地で生クリームがこれでもかと入った優れものです。ここのシュトーレンは味がしっかりしておりずっしりと重量感があります。クリスマスまで毎日夕食後これを薄くスライスしコーヒーか紅茶で食べます。最初はやや砂糖が勝っているのですが日が経つにつれドライフルーツやナッツのリキュールが染み込みバターがまわり砂糖も馴染みしっとりとした味になってくるのです。

 

 

 

11月30日 寒い朝

今朝は前夜の天気予報で寒くなるという話だったので外していた裏地をコートに取り付けました。朝は快晴。西の空は真っ青、南の空はウロコ雲。裏地を付けて正解でした。好きな俳人川崎展宏に「冬と云う口笛を吹くやうにフユ」という面白い句がありますがまさにそんな天気です。口を開くのが大義というほど寒くはありませんが空気が澄みわたり顔の皮膚に緊張感があり思わず口を尖らし「フユ」と発声してみる、そんな衝動に駆られる天気でした。ところでボチボチ花がなくなる時期になってきましたが我が家の近辺ではやたら「皇帝ダリア」を植えているお庭をよく見ます。何しろこの花人間の背丈をはるかに超すほどとても背が高くすこし風があるとゆらゆら揺れ地味なピンクの花が大仰に振れます。今日のように風のない日はスックと姿勢よく伸びており如何にも皇帝のようです。名前の由来は知りませんが。11月も最終日。いよいよラストスパートですね。

11月27日 六十の旅立ち

日経夕刊に仏教学者の佐々木閑氏のコラムがありますが今日のは三蔵法師法顕さんの話。因みに三蔵法師とは個人名ではなくインドから伝わったお経を漢文に翻訳したお坊さん達の総称とのこと。で今から1600年ほど前この法顕さんは長安を出て徒歩でインドに行きまだ中国に伝わっていない仏教の聖典を手に入れスリランカでインド語をマスターし帰りはそこから船に乗り東南アジア経由で青島の近くに漂着した。艱難辛苦の連続だった。彼が出発したのは60歳中国に戻ってきたのが80歳近くそれから死ぬまで本来の目的である翻訳に取り掛かったのだと。法顕さんの一生を俯瞰すると60歳までが準備期間でそこから本当の人生が始まったといえる。彼のような生き方は到底叶わないがせめて志だけでも剛毅質実で通したい。人生100年時代の一つの手本として佐々木氏の学校で社会経験を積んだ後一念発起して仏教学の道を志している人達への励ましの話とくくる。痛し!

 

 

11月25日 しぐれ?

まあなんという寒さでしょう。12月の気温とのことですが気温の変化が激しいのでまだ寒さについていけてません。もしかして「はつしぐれ」かな?ところで昨日毎月取っているサプリメントの会社から来年のカレンダーと手帳が送ってきました。もうそんな時期なのですね。カレンダーはこの会社が運営している美術館の収集品を12か月に掲載しているものでとても素敵です。この美術館は和ものとでもいうのでしょうか日本画、焼き物、装飾品などが得意なようで毎月重文や国宝などと書かれた作品を楽しみにしています。私は手帳はあまり使わないのですが商談するときに年間カレンダーが書いてあるページを広げたり、新聞、雑誌などで気になった催し物、作品などをメモするのに用立てています。ちなみに来月のカレンダーは「東海道五十三次<保永堂版>のうち原 朝之富士」という広重の版画です。富士山の頂上が画面から飛び出しており麓が赤く染まった作品です。

11月24日 渋沢栄一

11月22日号の「松戸よみうり」に来年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一と徳川昭武のことが載っています。要約すると最後の将軍慶喜がパリ万国博覧会への参加を決めたとき将軍の弟昭武が名代としてフランス使節団を率いた。その随行団は帰国後明治政府の近代化に大きく貢献することになるのだがその中の一人が渋沢栄一ということなんですね。さらに松よみでは再度フランスに渡った昭武の激動の一生を綴っている。松戸には「戸定歴史公園」として一般公開されている昭武創設の松戸徳川家の住居があるが、その縁で今回松戸市シティープロモーション担当室がこの大河ドラマがもっと面白くなるようにということで渋沢の命日にあたる11月11日に各プレスを招き昭武の生涯やライフスタイルを紹介し記事はそこからの取材とのこと。1万円札に顔を出すなど渋沢栄一は時の人ですが徳川昭武も幕末から維新にかけて重要な役目を果たしたようです。

11月20日 ドラエモン

今日の読売朝刊にとてもユニークな宣伝がありました。裏表2ページで真っ青な紙に「のび太」と「しずか」がそれぞれ載っています。「STAND BY ME ドラエモン2」という題名の映画の宣伝です。片面でのび太が「ぼくはしずかちゃんを幸せにすることはできない。子供のころから勉強も、走るのも力はしずかちゃんより弱い。今まで何かで一番になったことがないそんな男がしずかちゃんを幸せにすることはできない。ぼくじゃない他の人と幸せになってください。僕のことは探さないでください」そして片面でしずかちゃんが「勉強が出来なくても走るのが苦手でも力が弱くてもかまわない。人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる、そんあ優しいあなたが大好きです。だから逃げないで戻ってきて。私はあなたとなら間違いなく世界で一番しあわせになれるから」ドラエモン50周年記念作品で本日公開。身につまされこの文句だけでうるうるしてきました。