7月7日 朝から感動

今読売新聞朝刊の「時代の証言者」に加藤登紀子さんの事が載っています。今朝の内容は学生運動で3年8か月の実刑判決を受けた彼に結婚を求めたが3年もいなくなる男が君を束縛することは出来ないと断られた。彼が下獄してまもなく妊娠していることに気付き誰にも知らせず中絶することを決意し知り合いの産婦人科を訪ねたら医師の父親から「結婚できなくてもいいじゃないか。彼のために産みなさい」と諭されその瞬間「その通りです」と泣き崩れた。真っ暗だった心の中に光が差し込んだような感覚だった。面会は厳しく制限されていたので妊娠は手紙で伝え後面会が叶った。彼は後日この日を官式の愉快な結婚式だったと手紙に書いてきた。家族と所属事務所社長に結婚と出産の決意を伝えると反対はなく皆に喜んでもらえた。父親から「苦労するとわかっている男と一緒になるのか。お母ちゃんとそっくりやな」の言葉が心に残っていると加藤。感動の一コマ、台詞。

7月6日 信楽たぬき

日経夕刊に信楽高原鉄道の信楽駅に置いてある100体ほどのたぬきのことがでていました。ここ信楽は文化庁が日本遺産に認定した六か所」の焼き物の産地「日本六古窯」のひとつ。などといわなくてもあのたぬきは全国どこにでもいるのでは?この駅には1998年頃から置き始めたとのことですが我が家の次男坊が生まれたのは1982年。生まれた時から縦横とも大きくお腹が膨らみ足首や手首に割れ目ができそこにごみが溜まるほどでした。その彼がボチボチ歩き始めた頃兵庫県宝塚に住んでいたのですが我が家のすぐそばにあった家の玄関先に大きな「信楽たぬき」が置いてあり「あ 僕がいる」といってました。いつも「ソーチンぽんぽん大きい」といっていたのでお腹の大きなタヌキを見て友達だと思ったのでしょう。少し上を向き真っ白なお腹に徳利をぶら下げている何とも愛らしい姿です。今度次男に会ったら信楽駅に君の友達が大勢いるそうだと教えてあげよう。

7月5日 天の助け

天の助けというと大げさですが昨日は本当に助かりました。ポスティングの注文を頂いたお客様の所にチラシを取りに行きました。必要枚数は3.5万枚。全部で12,3箱あったので一箱3,000枚で11箱と2,000枚。それでなくとも紙は重いのに手が悪いので甚だ難儀しながら積み込んでいたら丁度客の知人らしき人が来たので助っ人を頼んだら快く引き受けてくれました。とまもなく彼が「ところで一箱何枚入っているのでしょう?」といいながら箱を開けたところ500枚束が8個つまり一箱4,000枚。さらに伝票に13箱5万枚とも書いてあります。つまり一箱4,000枚入りが12箱と2,000枚の合計5万枚。ということは8箱と2,000枚積めばいいのです。とんでもない間違いをしていました。積込み過ぎた分を元に戻し終了。彼が来なかったら5万枚を積込み後で1.5万枚を返しにこなければなりません。思わず涙目になってお礼を言いました。

7月4日 読売歌壇栗木京子

昨日はここにもこれないほど多忙でした。今週の選は栗木氏お勧め3首とは違い「遣られても仕返ししてはならないと中村哲氏はことば遺せり」2019年12月4日タリバンにより取り返しのつかないその命を奪われた中村哲さん。アフガニスタンでの地道なそして具体的な活動はアフガニスタンの人たちのみならずただ憧れしか持ちえない私の心も震わせました。なんで、どうして彼が、彼の命が。と惜しむ気持ちは何年経っても消えません。危険極まりない当時のアフガニスタンで一方的に与えるのではなく彼らと一緒になって自らの体を動かし生きるすべを開拓していったのですね。現地の人たちに溶け込み一歩ずつ夢を実現していったのですね。彼の命を奪うのにどんな理由もありえません。きっと殺人犯も今頃は「とんでもないことをしてしまった」と悔やんでいることでしょう。こんな日本人がいたんだと過去形で語ることの悲し、虚しさ。この作者と同じ思いです。

6月30日 恋愛資格なし 

数日前10代の女性が家の前で刺殺されるという事件がありました。犯人は彼女と以前付き合っていたことがある男だとのこと。彼女が別れ話を持ち出したことから彼女に付きまとい「どうなってもしらないぞ」と脅迫するので警察にも相談し、父親が送り迎えをしていたようです。基本的に恋愛は振ったり振られたりするのが常。恋愛ゲームなどというつもりはありませんが一回の恋愛が成就出来る人の方が少ないと思います。若いうちは失恋して人は成長していくものだとも思っています。彼女を好きになり好かれそして別れ何度も悲しみのどん底に落ち込みました。これは相性なのでどっちがいいとか悪いとかではなく自分を卑下することも相手を恨むこともありません。失恋当初はこの悲しみはずっと続くなどと思いますがまた誰かを好きになったらそこに夢中で前のことは概ね忘れてしまいます。「♪過ぎ去れば思い出になる」という歌がありますが彼には恋愛資格なし。

6月29日 ピーター・J・マクミラン

この方翻訳家とのことで国際協力機構の文化担当講師として東欧、ジョージアなどで万葉集、百人一首、芭蕉などについて講義をしたりNHKワールドJAPANの番組「Magical Japanese」にレギュラー出演し日本語を通して日本文化を案内しているとのこと(日経:人間発見)ですが私は全く知りません。ただ撮影にも使っている京都の家は、フェイスブックに載った憧れの小倉山の古民家に惹かれ新幹線に飛び乗り即決。明治時代の日本建築で小さな庭や竹林もあり、西行井戸が残っており藤原定家の時雨亭が周辺にあり芭蕉の京都滞在中の住まい落柿舎もあるんだとか。自宅で仕事をしているとピタピタという音で雨かなと思ったら竹の葉からしずくが落ちる音だった。この時期竹は落葉し緑色の葉が芽吹く。竹が新しい生命の喜びを感じ、涙していると想像し「竹の涙となずけた由。これが彼のオリジナル原稿としたら今時滅多に目にしない日本の香りが一杯。

6月28日 ずーっとずっと大好きだよ

日経夕刊を読んでいたら小説家の松浦寿輝という方が「ありがとう、そしてさようなら」という題で愛犬との死別を語っていました。マルコは人間が大好きで沢山の人たちから愛され、ひたすら明るく、、今頃は犬の天国に到着して陽光あふれる広い草原で楽しく遊んでいることだろう。病気を治してあげられなくて本当にごめんね。もったいないほど幸せにしてくれて、本当にありがとう。また会えるといいね。との溢れる思いを吐露。私はふと娘が小さい頃ねる前に何度も一緒に読んだ「ずーっとずっと大好きだよ」という絵本を思い出しました。小さい頃から一緒に育ったエルフィーが老衰で亡くなりました。勿論僕はとても悲しくて、家族もみんな悲しんで。でも僕は少しだけ気が楽になりました。毎晩寝る前に「ずーっとずっと大好きだよ」と言っていたから。私は先日娘が落ち込んでいる時同じ言葉をかけてやったら「こっぱずかしいけど ありがとう」と返ってきました。

6月27日 育児はワンオペに向かず

昨日の日経コラム「春秋」に「人間の育児はワンオペに向いていない」という生物学者高橋祥子氏の言葉が載っていました。彼女は出産して赤ん坊の弱さに驚いた。食料を探して食べることも危険から逃れることも出来ない。「こんなに弱い哺乳類はほぼいない。よく人類が増えたなというのが生物学者としての最初の感想」だという。これをカバーするのが集団育児で脆弱性はかえって進化上のメリットにもなった。弱い状態で産みゆっくり育てる環境を整えた結果ひとは脳の発達に15年もかけられるよになり知性を伸ばすことができた。つまり人間の育児は集団生活が大前提になっている。この生物学的な子育ての仕組みと育児家庭の大半が核家族というギャップが少子化の原因であるという。ならば子育ての負担を社会全体で賄うのは必然だとも。「育児はワンオペに向いていない」という科学から導かれた真理を唱えれば為政者も育児に悩むひとも眼前の霧が晴れると。至言。

 

6月26日 読売歌壇栗木京子

今週は栗木さんが推す3句以外から。「懸命にそして静かに父は今百一回目の夏を迎える:夫馬 和子」実は義父が先日98歳になりました。彼はもう数年誤謬性肺炎ということで入院していますが義弟の話によると身の回りのことは全部自分で出来るし頭もごく普通、言葉も生粋の博多弁でしゃっきりしているようです。この間長いこと空き家になっている自宅をもう住むこともないので処分してくれとの話がありました。錠はしてあるのですが泥棒に入られ茶道具や亡くなった義母の宝石などがなくなっているようです。またハクビシンらしい動物のフンもみられるとのこと。切り出しにくい話だし義父が亡くなってから処分すると相続が面倒になるのですが、まだ頭がしっかりしている彼から話が出てきたので次男が手続きを進めているようです。若い時から頑固一徹だったという義父もその片鱗は残しながらそれでも随分丸くなり子や孫の見舞いを楽しみにしているようです。

 

6月23日 友からの便り

昨日横浜に住んでいる友人から「今日すれ違ったの分かった?」という文章とともに写真がメールされてきました。見ると確かによく似ていますが私は白内障の手術以降メガネが不要になったし最近は上着をきることもまずないので人違いではないのと返しました。がすぐに「とてもよく似ているがもしその写真が「オレ」だったら今ここにいる「オレ」はいったい誰なんだろう!?」と追加しました。まもなく「冗談 この人は後藤雅洋というジャズ喫茶の著名人 でもそっくりでびっくり」と入って来ました。悔しいじゃありませんか。彼は横浜、私は松戸だしいくらボケてもすれ違ったらまず分かる筈なのにまんまと彼のドッキリに引っかかってしまったのです。後から落語の「らくだ」を引用したしゃれをかましたのですが時すでに遅し!ジャズ雑誌でもめくっている時に「あいつに似てるな」と久しく会っていない私の顔を思い浮かべたのでしょう。かまってくれてありがとう。