広瀬選手に育成4位指名
ホークスが高い守備力を評価

 10月24日のプロ野球ドラフト会議で、松戸市立松戸高等学校3年の広瀬結煌(ひろせゆうき)選手が、福岡ソフトバンクホークスに育成4位で指名され、6日に球団関係者が指名あいさつのため同校を訪れた。広瀬選手は、右投右打のショート。同校の生徒がドラフト会議で指名されたのは、令和3年に育成11位で指名された瀧本将生(たきもとまさき)選手以来2人目。【戸田 照朗】

 広瀬選手は柏市立酒井根中学校出身。所属していた流山クラブボーイズの監督と市立松戸高校の朝隈智雄監督が知り合いで、その縁から、市松に入学を決めたという。ドラフト会議は校内の多目的ホールで野球部全員で見ていた。「選ばれて嬉しかったのと、ほっとした気持ちがありました。チームメイトからは『おめでとう』『期待しているよ』という言葉をもらった。目標としている選手はホークスの今宮健太選手。今宮選手は守備も上手いし、肩も強い。バッティングもいいので、自分の中では理想的な選手です。自分の武器は守備なので、守備を生かしながら、身体をしっかり作って、チャンスに強いバッターになっていきたい。(守備の評価については)素直にうれしいですし、その期待に応えられるように、これからまた一層努力して、プロで通用するようなものをつくりあげていきたい。基本はキャッチボール。高校3年間毎日やり込んで、納得いくまでやりました。(ホークスが今年、3人のショートをとったことについて)同期でもあり、これからライバルになるので、絶対に負けないという気持ちで、努力していきたい。支配下登録に向けて死に物狂いでがんばって、1軍でスタメンに定着して何年も継続できるような、信頼を置かれるような選手になりたいです。大切にしているのは、『感謝』と『恩返し』という言葉。両親、ここまで育ててくれた監督さん、自分に携わってきた方々に感謝して、恩返ししたい」と話していた。
 福岡ソフトバンクホークスのスカウト部で関東を担当する福元淳史さんは、「守備力ではトップレベルで、すぐにでも使える。ボールに入る『間(ま)』がいい。ボールを捕まえる能力に長けていると感じます。スローイングも安定性と精度が高い。プロでもスローイングで苦労する選手が多いですが、そういう心配がありません。朝隈監督から情報をもらい、2月に初めて練習を見て、8月の県大会も見ました。チームのキャンプを見てきて、(広瀬選手の)プレーを見た時に、『あ、変わらないな』と感じたくらい、完成されていました。千葉県には他にも優秀なショートがいる中で、(広瀬選手が)1番です」と高く評価している。
 朝隈監督は「プロの世界で右投げ右打ちの守備の上手いショートが価値が高いというのはよく聞いているところで、可能性があると感じて、選手の励みにもなるので、(スカウトに連絡して)見てもらって、つながっていった。花が開くタイミングがそれぞれあるので、プロに限らず、野球をまだがんばりたいという選手については、ちょっとでも上のステージでがんばってほしいという思いはある。『なりうる最高の自分になる』というのがチームの理念。彼にとって、なりうる最高の自分を目指してほしい。プロの選手の2人目が生まれたというのは、選手たちの励みにもなるので、これを起爆剤にしっかり育成して、(初の甲子園出場に向けて)挑戦していきたい」と話した。
 勝又英子校長は「見つけてもらえるかもわからないのに、コツコツ工夫しながら努力したことが報われたということは、本当に喜ばしいことですし、周りの子たちにとっても、希望です。ドラフトの日、チームメイトも同じ気持ちで待っていて、名前が呼ばれた時の歓喜の瞬間のあの空気感は、今思い出しても胸が熱くなります。翌日も3年生が本当に喜んでいた。喜びや感動が数日間の中にぎゅっと詰まっている。夢を持ち続けて、実現するために努力をしたことによって、風穴があいて…、というのを子どもたちは目の当たりにできた。これからの人生であきらめたくなることや、目標を持てなくなったときに、この瞬間を思い出して乗り越えていけるかもしれない。人生にとってすごく貴重な経験ができたと思います」と話していた。

広瀬結煌選手(左)とあいさつに訪れたスカウトの福元淳史さん

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