萬満寺で「怪談」
5年ぶり小泉八雲の世界幻想的に

 朗読芝居・小泉八雲「怪談」20周年記念公演(小泉八雲記念館後援、映画監督・大澤豊氏推薦)が、9月29日午後5時30分より、馬橋の萬満寺本堂で開催される。
 萬満寺での「怪談」公演は5年ぶり。2004年の初演から20周年を迎える。夏の夜にお寺の広い本堂で行われる怪談は雰囲気もあり、好評を得ている。出演は舞台朗読家・フリーアナウンサーの森優子(もりゆうこ)さん。
 その美しい響きの朗読は、多方面から高い評価を受けている。戦前の大俳優・丸山定夫の姪、女優・丸山由利亜に師事、主催する「語りと音楽の会」に入会し舞台朗読を学び、各公演に参加した。2002年よりOfficeY&Yにて様々な朗読舞台で活躍。2007年10月、徳島国民文化祭・「語りの名人芸」に出演、瀬戸内寂聴原作の「源氏物語 藤壺」を本人の前で朗読し絶賛された。2009年には瀬戸内寂聴記念館での太宰治生誕百年記念の朗読会を任され、2日間で6作品を朗読。また2012年の国民文化祭では、三人使い人形と音楽と朗読のコラポレーション舞台『新釈・姥捨山』で朗読の新しい可能性を示した。日常の延長で朗読や音楽を楽しめる時間を作りたい、と始めたクラシック音楽と朗読をコラボレーションした「森優子朗読ライプ・ティータイムコンサート」をライフワークとして毎年開催。その他20人の小スペースから1200人の大ホールまで、場所を選ばず質の高い朗読会を行っている。希望に応じて朗読ワークショップを行い、他の朗読教室では学べない舞台朗読の形をきめ細やかに指導している。
 脚本・構成の鈴木之彦(すずきゆきひこ)さんは、2002年より森優子さんとOfficeY&Yを立ち上げ、朗読舞台の脚本・構成を務めている。森優子朗読ライブを始め、朗読芝居・小泉八雲「怪談」、翔び出す立体朗読「明るい太宰治」、朗読活劇「江戸川乱歩」など正統派の朗読の形、舞台の美しさにこだわり、舞台創りを続けている。2007年、国民文化祭「語りの名人芸」にて瀬戸内寂聴氏の源氏物語「藤壺」を脚本・構成し、瀬戸内氏から絶賛された。また、朗読以外の音楽コンサートや舞台の構成を独自の感覚で構成し、オリジナリティー溢れた舞台空間を創り上げている。映像音楽・効果音を一人でこなすマルチな面もある。
 萬満寺は、鎌倉時代の初期、建長8年(1256)千葉介頼胤により創建された一休宗純で有名な臨済宗大徳寺派の古刹。御本尊は中気不動尊で、古くから厄病除けとして信仰され、特に中風や足の病によく効くといわれ春と秋の大祭と正月三が日には仁王尊が御開帳され、仁王の股くぐり(厄除け)が行われる。大祭には、「不動まつり」(中気よけ)と「唐椀供養」が行われる。仁王門に安置されている「阿(あ)」「呼(うん)」の木造金剛力士像は、鎌倉時代の仏師・運慶の作といわれ国の重要文化財となっている。また高村光雲(作家高村光太郎の父)が、長野・善光寺の仁王像を造るときに萬満寺の仁王像を参考にしたという。木造不動明王像、豊臣秀吉の制札が松戸市の文化財に指定されている。
 前売りは2500円、当日3000円。
 申し込み・問い合わせは、☎047・365・9911労音東葛センター、または、OfficeY&Y(yandyplanets@yahoo.co.jp)まで。

小泉八雲の「怪談」を朗読する森優子さん

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