ラグビー元日本代表
田中史朗さんが市を訪問
グリーンロケッツ東葛 シーズン報告

 松戸市をホストエリアの1つとするNECグリーンロケッツ東葛が、6月24日、本郷谷健次市長を訪問。元日本代表で5月に現役引退をした田中史朗さんらが今シーズンの報告をした。同チームはジャパンラグビーリーグワン2023ー24のディビジョン2で、8勝2敗(勝ち点37)の2位でレギュラーシーズンを終え、ブラックラムズ東京との入れ替え戦にのぞんだが、ディビジョン1昇格はならなかった。
 田中さんは、京都府出身の39歳。身長166センチと小柄な体形で、ポジションはスクラムハーフ。伏見工業高校から京都産業大を経て、2007年に埼玉パナソニックワイルドナイツの前身、三洋電機ワイルドナイツに加入した。2013年にはニュージーランド、オーストラリア、南アフリカのチームが参加する世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーの舞台に日本選手として初めて立ち、4シーズンプレーした。
 日本代表としては2011年のニュージーランド大会から2019年の日本大会まで3大会連続でワールドカップに出場し、2015年のイングランド大会では歴史的な勝利を挙げた南アフリカ戦で「マン・オブ・ザ・マッチ」に選出された。日本代表のキャップ数は75で、歴代7位。
 田中さんは、引退会見で、将来は日本代表のヘッドコーチになりたいと話している。今後は小学5・6年生と中学生を対象に選手を育成する「グリーンロケッツ東葛アカデミー」などで地域社会貢献活動を続けていく、という。
 「今は引退する寂しさと、日本ラグビーに恩返しと、罪滅ぼしができた、という気持ちです。これからも日本ラグビーに関わっていくうえで、目指すのは代表のコーチ。2011年のワールドカップで1勝もできずに、日本ラグビーの人気が落ちた。それがあって誰かが外に出なければいけない、世界に挑戦しなければならないという気持ちになり、2015、19年のワールドカップがあり、自分自身も17年やってきて、ラグビー人気が盛り上がり、罪滅ぼしができたかなと思います。(一番の思い出は)丸の内のパレードです。ずっと泣きっぱなしで、あそこまで泣いたことはなかった、というくらい泣いていました。罪滅ぼしと恩返しをして、皆さんに喜んでいただけた。子どもたちには、まず楽しんで、ラグビーをしっかり理解してもらい、世界を意識してプレーしてほしい。日本でプレーしていても上手くはなるが、限界がある。海外に出てから伸びる選手も多いので、小学生のうちから、リーグワンだけではなく、世界の国代表の試合の映像も見てほしい。(田中さん自身も)高校3年の時に、スーパーラグビーを見始めてから成長した。優しく言えば、体が小さくてもできるよ、とも言えるし、厳しく言えば、体は関係ないとも言える。体ではなく、メンタル、スキル、努力で世界のトップも取れるというのを伝えたい。僕自身、能力が低い中で、コミュニケーションやラグビーの理解力で世界で戦ってきた。2035年に代表のコーチになるのが目標。日本がベスト4、ベスト8の常連になれるようなコーチングをしていきたい」【戸田 照朗】

ラグビー元日本代表の田中史朗さん

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