二十世紀梨の苗木が里帰り

 松戸市は「二十世紀梨」の原産地。明治21(1888)年に大橋村(現在の二十世紀が丘梨元町)で、当時13歳の松戸覚之助によって偶然苗木が発見された。果皮が赤みがかった赤梨に対し、この梨は、果皮が青く果肉が白く上品な甘みでみずみずしく、二十世紀を代表する品種になってほしいという期待を込めて「二十世紀梨」と命名された。原木は国天然記念物に指定されたが枯死し、「二十世紀梨」は松戸市内ではほとんど栽培されなくなった。
 「二十世紀梨」復活のために松戸覚之助ゆかりの市内の造園業者が、明治37(1904)年に鳥取県に渡った原木に近い親木の枝を取り寄せて接ぎ木し育て、このほど21世紀の森と広場「みどりの里」の一部約160平方メートルに5本の苗木を定植した=写真=。当該地は二十世紀梨保存プロジェクト事業として、梨の栽培に適した土壌改良等の環境整備が行われた。
 普段は鳥獣害対策等のためネットで囲まれ立入ることができないが、4月29日から5月6日の午前9時から午後5時までの時間は自由に間近で観賞できる。期間中は定植場所に特設コーナーを設け、二十世紀梨の由来をはじめ、梨の花が咲くまでの成長過程や苗木が定植されるまでの施工過程の写真などを掲示する。また、松戸市立博物館内主題展示では、「二十世紀梨」の保存処理された原木と歴史を紹介している。
 問い合わせは、☎047・345・8900松戸市街づくり部公園緑地課21世紀の森と広場管理事務所。

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