琴ノ若関が市役所を訪問
大関昇進を報告

 1月場所で13勝し、大関に昇進した琴ノ若関(佐渡ケ嶽部屋)が16日、松戸市役所を訪問し、本郷谷健次市長をはじめ、市民の歓迎を受けた。千葉県・松戸市出身の大関昇進は、松登関以来69年ぶり。 【戸田 照朗】

左から織原正幸副議長、本郷谷健次市長、琴ノ若関、佐渡ケ嶽親方(市役所正面玄関前)

「賜杯を松戸に」
 琴ノ若関は1997(平成9)年11月19日生まれの26歳。父は現・佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)、祖父は先代の佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴櫻)。佐渡ケ嶽部屋がある松戸市で生まれ、松戸市立松飛台小学校に通った。埼玉栄高等学校に進学し、佐渡ケ嶽部屋に入門。2015(平成27)年11月場所で初土俵。2019(令和元)年7月場所で新十両昇進。2020(令和2)年3月場所で新入幕。2023(令和5)年1月場所で新三役となった。
 昨年の9月場所で9勝6敗、11月場所で11勝4敗、今年の1月場所は、13勝2敗で優勝決定戦に進出し、横綱・照ノ富士に敗れたものの、三役で臨んだ直近3場所の勝ち星の合計を大関昇進の目安「33」に届かせた。
 先月31日、日本相撲協会は番付編成会議と臨時理事会を開催し、 琴ノ若関の大関昇進を正式に決定した。
 同日、佐渡ケ嶽部屋で行われた伝達式で、琴ノ若関は口上で「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進して参ります」と決意を述べた。
 本郷谷市長は、「松戸市は8年前に琴奨菊が優勝した時に駅前からパレードをさせていただいた。またパレードをさせていただきたいと、市民も大変期待しています。早く横綱になって子どもたちや相撲界の星になってほしい。ただの星ではなく、一番星のような、輝く星になっていただきたい。本当におめでとうございます」と歓迎した。
 佐渡ケ嶽親方は「お陰様で、琴ノ若が大関に昇進することができました。市長がおっしゃるとおり、もう一つ番付の上の横綱に向けて、またしっかり稽古しながら、精神面も鍛えていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」とあいさつした。
 琴ノ若関は、「お陰様で大関に昇進することができました。まだ、番付はもう一つ上がありますし、優勝も達成していないので、そこを目指して、これからも稽古に精進して参ります。賜杯をこの松戸に持って帰ってこられるように、これからもしっかりやって参りますので、これからもまた応援よろしくお願いいたします」とあいさつした。
 表敬訪問では、琴ノ若関の大関昇進を祝い、松戸市農事研究会会長の川村博文氏より、松戸で採れたネギ・キャベツなど地場野菜32ケース、合計281kgが贈呈された。
 また、松戸市からは、1994(平成6)年に松戸市に部屋を構えてから、大関4人を育てるなど、相撲界を盛り上げるとともに、松戸市の名を広め、市民に夢と希望をもたらしたことに感謝して、「松戸市制施行80周年記念感謝状」が贈呈された。

市役所の通路を歩く佐渡ケ嶽親方(左)と琴ノ若関

琴ノ若関Q&A
 表敬訪問の後、記者によるインタビューが行われた(代表質問)。
 Q 大関昇進しての感想は?
 「本場所ではまだ相撲を取っていないので、なんとも言えないですけど、イベントなどで外に出ると、『大関!』と声をかけていただいて、アナウンスも(大関と)かけていただいて、(大関に)上がったんだな、という感じはあります。
 (大関昇進しても)ここで終わりではなく、まだ上がありますし、最高位を目指す上での(大関という)番付ですので、喜びは伝達式の日だけで、ここからまた上を目指して、責任感を持ってやらないといけない。また気が引き締まる思いです」
 Q 地元の歓迎ムードをどのように感じますか?
 「ありがたいです。たくさんの方に来ていただいて、これがまた励みになるかなと思います」
 Q 夏場所からおじい様の四股名(しこな)・琴櫻を継ぐという話もあります。松戸は桜の街。地元への思いは?
 「四股名については今後またもう一度お話合いをさせていただく予定です。この地に移動してきたのも先代の代なので、(私は)ここの生まれですし、自分が上に上がって、松戸市というのを全国に広めていければいいかな、と思います」
 Q 今後に向けて、意気込みを。
 「相撲に対する気持ちは変わりません。今までも常に毎場所そういう気持ちで臨んできました。この地位は本当に責任感、緊張感が大切になってくると思う。下に負けられないという気持ちが大事だと思うので、常日頃からそういう気持ちで臨んでいかなければならない。ほかの力士の見本にならないといけない地位。自分らしくやっていくのが一番ですが、その中でも模範になれるような力士を目指してこれからもやっていきたい」
 Q さらに上に、というところも視野に?
 「辞めるまで上を目指してやっていかなければならないですし、上に上がれば、負けられないという責任感がもっと上がると思います。優勝の回数など、全てにおいて、必要なことがたくさんあると思う。まだまだ足りてないところがたくさんあると思いますし、しっかり稽古をつみながら、やっていければ」

インタビューに答える琴ノ若関


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