チューニング 2023年6月25日
世界経済フォーラムの男女格差に関する報告書の最新版で、日本は146か国中125位で過去最低を更新した。教育は47位、健康は59位だったが、政治は138位、経済は123位と、大きく足を引っ張った▼私が大学に入学した1986年4月に男女雇用機会均等法が施行された。第一世代として同世代の女性の動向が注目されていた。とはいえ、私がいた法学部には女子が少なかった▼駅の改札を出ると左側に女子学生がドッと流れていく。左側には比較的女子の多い他大学がある。坂道をのぼってキャンパスに着くと、残りの女子学生が文学部のある左側に流れていく。法・経済・商学部がある右側に歩いていく女子はほとんどいなかった。誰が言ったか「左曲がりの法則」と呼ばれていた▼ところが今は法学部でも44%が女子。理系学部を含む大学全体でも38%。キャンパスの風景もずいぶん変わったと思う▼一方で、私が学生のころには大人気だった女子大の人気が下がっているというのは、皮肉な話だと思う。女子教育への理解が乏しかった時代から、ずっと女子教育を担ってきたのに▼女子も男子と同じように高等教育を受けられるようになった。しかし、政治・経済の分野では受け入れないというのでは、まさに「ガラスの天井」だ。