今月のラジオポワロ
頻尿とは?現役泌尿器科医が解説!
おしっこが近くて困る。医学的には頻尿という状態です。朝起きてから夜寝るまでに8回以上トイレに行くことを頻尿といい、夜間頻尿、つまり夜寝てから朝起きるまでに1回以上行けば夜間頻尿という定義になります。しかし1日8回以上トイレに行けば病気かというわけではなく、あくまでも定義であり、頻尿自体が病気というわけではありません。水分を多くとればその分トイレに行くのは当たり前ですから。
ではトイレが近く発熱がある場合はどんな病気が考えられるのでしょうか?
まず女性の場合は第一に考えたいのは腎盂炎です。腎盂炎とは膣や尿道から細菌が侵入し、膀胱炎、それをさらに尿管をさかのぼって、腎臓まで炎症を起こしてしまう病気です。膀胱炎のように頻尿や排尿痛、残尿感などを生じますが、さらに発熱や背部痛、全身倦怠感などが出たり、嘔吐などの消化器症状が出ることもあります。
また、男性の場合は前立腺炎をおこしている可能性があります。これは、直腸などにある大腸菌が尿道から前立腺に入って炎症を引き起こす病気です。男性が腎盂炎になる事は非常に稀で尿管結石などの合併症がある可能性があります。前立腺炎は膀胱炎と同様に、排尿痛や頻尿、残尿感や排尿困難などがおきたり、さらに、発熱や全身倦怠感が出ることがあります。まずは尿検査をして尿が汚れているかどうかを確認します。
いずれも重症化すると入院治療が必要となりますので、「頻尿と発熱」は早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
寒くなるとトイレが近くなります。頻尿を改善させるためには体を温めることです。冷えと頻尿は密接に関係しているので、いわゆる下腹部(おへその下に膀胱があるので)を温めます。外出の際は腹巻をしたり、自宅でも下腹部を温めるような服装を心がけましょう。
さらに膀胱訓練も大事です。尿が近いのは膀胱が過敏になっている可能性があるので、尿意が来てもすぐにトイレに行かず我慢してみるという訓練です。まずはトイレに行かず5分間我慢してみます。それで尿意が少なくなってきたらさらに5分と少しずつ間隔を伸ばしていきます。ただし男性の場合は前立腺肥大などの可能性もあるため、膀胱訓練をする際は医師に相談してください。
最後に骨盤底筋体操について説明します。骨盤底筋体操は尿道を締める力を回復させる訓練のことです。仰向けになって軽く両膝を立て、お腹の力を抜いた状態で息を吸い、5秒間かけながら息を吐き肛門をしめ、そして5秒数えて肛門を緩める、これを5分ぐらい行います。尿漏れがある方にはまず骨盤底筋体操から始めてみてください。
今回解説していただいた窪田徹矢医師が院長を務める「くぼたクリニック松戸五香」は今年4月1日に新京成線五香駅前、旧みずほ銀行跡地に移転します。医療脱毛、シミ取りの機器、尿失禁改善の機器など、美容皮膚科、予防医療など充実した医療を提供されるそうです。
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