7年ぶり松戸神社「神幸祭」
「宮神輿」修復、200人が担ぎ練り歩く
松戸総鎮守・松戸神社の「松戸の大まつり・神幸祭(しんこうさい)」が16日、松戸駅西口で7年ぶりに行われた。伝統の「四神」を繰り出して古式装束に威儀物を掲げた神社神輿一行総勢400人が、松戸駅西口の旧松戸宿氏子町会を約2・3キロにわたり巡行した。【戸田 照朗】
「神幸祭」は当初2020年10月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から延期されていた。今回は松戸駅西口方面のみの巡行。後半のキテミテマツドから松戸神社までは、2019年に修復し輝きを取り戻した「宮神輿」を各自治会・町会の200人以上が順に担いで練り歩いた。
発輿祭(はつよさい)を執り行った後、松戸神社を御発輿(ごはつよ)し、宮前町、角町、下横町、三丁目、二丁目、本町、松戸駅西口とまわり、キテミテマツドで駐與式(ちゅうよしき)を行い、その後はそれまで台車に載せ牽いていた宮神輿を担いで巡行し、松戸神社に御着輿(ごちゃくよ)した。
松戸神社神幸祭は、宝暦年間(1751年~1763年)の祭具が今に残され、約260年前から行われていた祭り。「松戸の大まつり」と親しまれた江戸時代には、近郷四里(約16キロ)四方から見物客が集まり、松戸宿は大いに賑わったと伝えられている。昭和初期の斎行を最後に60年余り途絶えていたが、1989年(平成元年)に神社の蔵から木像の四神が偶然発見されたことから古式に則り継承すべく復活し、今回で6回目の斎行となった。
四神とは東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武からなる天の四方を守護するという霊獣のこと。行列に木像の四神を伴うという松戸神社の「神幸祭」は、今では全国的にも珍しくなっていると言われている。
神幸祭の行列は神社提灯を先頭に、神幸旗、鼻高面、四神、月像旗、日像旗と続き、さらに御盾、御鉾に守られた宮神輿、巫女、各町代表供奉員、五色旗などが巡行した。