チューニング 2022年9月25日
犬の散歩コースに、不動明王を祀ったお堂があり、毎朝手を合わせる。コロナ禍に入ってから、手を合わせている時間が長くなった▼そんな私を見て、いつもお堂を掃除してくださる農家の方が、「若いのに珍しい」と言って、野菜をくれたことがある。マスクで顔がよくわからないのかもしれないが、実はそんなに若くはない▼神仏を信じているのかと問われれば、自分でもよく分からない。自分の本心をのぞき込み、自分自身の本当の気持ちを知ることが、神仏に手を合わせ、願いをかけることだと思う▼こんな思いに至ったのは、「東葛の寺社めぐり」という企画で、松戸周辺の神社仏閣を自転車で巡っていた時だ。松戸をはじめ、柏、我孫子、鎌ケ谷、流山、野田のほかに、本当は東葛地域には入らないのかもしれないが、市川、白井、印西市などを訪ねた。千葉県の資料を名簿がわりに、地図を手に、できる限り全ての寺社を訪ねる。ガイドブックの類は見ず、有名無名にかかわらず印象に残った寺社を紹介する、まず手を合わせてから取材に入る、など自分なりのルールがあった▼船橋市は寺社の数が多く、後回しにしていたために、とうとう行きそびれてしまった。それが今でも心残りだ。コロナが去った後、いつか必ず、の思いがある。