チューニング 2022年7月24日

 先週の日曜日に放送されたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第27回のタイトルは「鎌倉殿と十三人」だった▼源頼朝の急死を受けて二代目の鎌倉殿となった源頼家はまだ若く、経験もないため、頼朝を支えてきた有力御家人が訴訟などを吟味し、頼家に決裁を仰ぐという形にした。当初そのメンバーは数人のはずだったが、対立する北条時政と比企能員が自分に近い者をメンバーに加えようとしたため、13人にまで増えてしまった▼この辺を脚本の三谷幸喜さんはお得意のドタバタ喜劇的に描いている。この合議制が面白くない頼家は自ら5人の近習を選び、特権を与える。「鎌倉殿の13人」は鎌倉殿の側近13人というイメージだが、「鎌倉殿と十三人」は、鎌倉殿と対立する十三人というイメージだ▼さて、緒戦に敗れ房総半島に逃げてきた頼朝を助け、鎌倉幕府創設に貢献した我らが(?)千葉常胤だが、「年寄りはダメ」という理由であっさり13人から外されてしまった。上総広常の死後、千葉常胤のチョイ役感が半端ない▼13人は幕府御家人のエリート中のエリート。だが、やっていることはムラ社会のコップの中の嵐だ。三谷作品にはアメリカ映画「十二人の怒れる男」のオマージュとして書かれた「12人の優しい日本人」がある。

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