チューニング 2022年6月26日
さくらという猫の話をしようと思う▼平成20年3月にクロという猫が死んだ。その1週間後、友人が保護したキジ白と白黒の2匹のメスの子猫を連れてきた。最初はどちらか1匹でも、という話だったが、2匹とも引き取ることにした▼カゴから出す前から2匹のゴロゴロという喉を鳴らす音が部屋中に響いていた。栄養状態が悪く、2匹とも感染症で目と鼻が悪かった。特に白黒は目も見えず、体の大きさがキジ白の半分しかなかった。とても人から可愛がられた経験があるとは思えない状態なのに、部屋に響くゴロゴロが不思議だった▼クロが亡くなったのが桜が満開の頃だったので、キジ白をさくら、白黒をちびクロと名づけた。さくらは、何かの工事で家に来た業者の人にも懐いて体を寄せる。後から入ってきた子猫たちの面倒もよく見るので、大人になっても仲良しだ。実家から引き取った犬を部屋に入れると、他の猫たちが隠れてしまうのに、さくらだけが寄っていって、犬の方が戸惑っている。結局、さくらは人懐こいというより、他者が好きなのだ▼古代エジプトで、警戒心の強いヤマネコのうち人懐こい性格の個体をかけ合わせてできたのが家猫だと言われる。さくらはその遺伝子の究極の結果なのではないか、と妄想している。