チューニング 2022年4月24日
先週の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で上総広常(佐藤浩市)が源頼朝(大泉洋)に殺された。実際に手を下したのは梶原景時(中村獅童)。双六をやっていて、油断しているところを切りつけた。凄まじいシーンで、見終わってドーンと気持ちが重くなった▼上総広常の死について鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』には記載がなく、天台宗僧侶の慈円が書いた史論書『愚管抄』に触れられている▼ドラマでは御家人が企てた頼朝暗殺計画を首謀したとして、広常が見せしめとして殺された。千葉常胤(岡本信人)が、「自分が首謀したのだから責任を取る」というようなことを言っていて、「え!? そうなの?」と思ったが、このくだりは三谷幸喜さん(脚本)の想像だろう▼千葉氏は千葉荘に所領があったので千葉を名乗り、千葉氏一族の風早氏は風早郷(松戸市)に所領があったので風早を名乗った。千葉氏の所領が佐賀県の高城村にもあり、ここに赴任していたことから高城を名乗ったのが、小金城主となる高城氏だ。千葉氏はもともと平氏で実はみんな平氏なのだが、当時は新しく所領を得ると姓を変えるというのが当たり前だったようだ▼上総広常も平氏だが、上総国という国の名前を姓にしているあたり、そのプライドと大物ぶりをうかがわせる。