今月のラジオポワロ
コロナ禍で増えている性感染症

 バナナ先生のハッピーラジオ第27回と第28回では、コロナ禍で増えている性感染症について泌尿器科専門医として窪田医師がお話しされています。
 これまで保健所でエイズや梅毒など、無料で検査が出来ていたがコロナ禍の影響で保健所がパンク状態。自治体にもよるが、性感染症の無料検査をやらなくなったところが増えてしまった結果、検査する機会がなくなり、知らず知らずのうちに感染してしまったり、感染させてしまうケースが増えているのでは? さらに、コロナの情報に性感染症の情報が埋もれてしまっていることも要因の一つではないか? ということです。
 去年の感染者数は 1990年以降で最も多く、特に注意すべき性感染症は梅毒・クラミジア・淋菌ということです。
 各性感染症の特徴をご説明します。
 【梅毒】
 性行為によってうつる病気で20~30代の男女に多く、一期梅毒は性器や肛門、口に「できもの」ができる。
 厄介なことに症状が出ても消えてしまうため、治ったと勘違いし性的接触をしてしまい感染させてしまう。二期梅毒は感染して3か月後に全身に斑点が出てくる。「バラ疹」と言って手のひらや顔の湿疹が現れ、男性の場合は陰部にしこりができる人が多い。放っておくと最終的には死に至る病である。
 治療法は抗生剤の内服(2週間~12週間)。体内にどのくらい梅毒の菌が残っているかによって飲む期間が異なる。きちんと飲み切らないと治らないため、薬を途中でやめてしまい、それでまた人にうつしてしまうケースもある。
 【クラミジア】
 トラコマチスという病原体が性行為などにより粘膜に感染することで起こる病気。粘膜に感染することから性行為以外でも口腔から喉に感染することもある。男性は排尿痛、女性は不正出血、お腹の痛み、おりものが多くなる、など。喉の感染では喉の痛みが出てくる。
 治療法は梅毒と同様で抗生剤の内服。
 【淋菌】
 淋菌の感染による性感染症で、潜伏期間は2~5日間くらいと、感染してからすぐ症状が出るケースが多い。男性は尿道から濃い膿が出て痛みを伴うが、女性では症状がないこともあるものの不妊症、子宮外妊娠、流産、早産の原因になることもある。治療法は飲み薬では治らないことが多く、注射・点滴による投薬。
 性感染症の予防は、正しく避妊具を用い、粘膜接触を避けることです。保健所の無料検査を利用したり、自宅で検査できるキットも販売されているので「もしや?」と思ったら早めにチェックしましょう。
 ラジオポワロはYouTube版では上條榮子チョイスの「今週の一曲」をご紹介しています。YouTube内で「ラジオポワロ」と検索し、ぜひお聴きください。またチャンネル登録もよろしくお願いします!(制作・寺田)

バナナ先生こと窪田医師(左)とパーソナリティの上條榮子さん

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