常盤平が男女優勝、全国へ
千葉県中学校駅伝大会
第72回千葉県中学校男子駅伝大会、第36回千葉県中学校女子駅伝大会が11月6日、県立柏の葉公園で行われ、男女ともに常盤平が優勝した。松戸の学校が男女同時に優勝するのは史上初の快挙。特に女子の優勝は史上初だ。同校は男女ともに12月19日に滋賀県で行われる全国大会に出場する。 【戸田 照朗】
男子1秒差勝利
65校が参加し、6区間(各区間3・1キロ)、18・6キロで行われた男子は、1区で波多野素暉君がトップの白山(我孫子)と5秒差の6位(9分14秒)で好スタート。2区の和久井夏輝君が区間賞(9分17秒)の走りでトップに躍り出た。3区の本谷謙仁朗君は区間9位(9分49秒)で3位に順位を下げたものの、4区の河田珠夏君が区間賞(9分02秒)の走りで再び首位を奪還。襷(たすき)を受け取った時点で25秒あった1位白山との差を逆転し、4秒差をつけた。5区の日下理玖登君は区間6位(9分53秒)で首位をキープしたが、白山とは3秒差。6区アンカーの川越駿太朗君は区間3位(9分36秒)で首位を守り切ってゴール。2位白山との差はわずかに1秒だった。優勝タイムは56分51秒。
熱戦を制した常盤平男子の選手は全員3年生。1区の波多野君と2区の和久井君が駅伝部で、それ以外の選手は他の部活から参加した。
主将で1区を走った波多野君は、「ここまで仲間と走り続けてきて、全国に行く、優勝するという目標を有言実行できて本当に嬉しい。集団について行って、競技場に入ってからはみんなの待っているところまで絶対に出し切るというレース展開を考えていたので、しっかりと今日は自分の走りを表現できたと思います。最後は、もう少し余裕があればよかったがアンカーを信じていたのでしっかり逃げ切れてよかった。全国大会では、千葉県最強のチームというプライドを持って全力で走り切りたい」と話した。
2区区間賞の和久井君は「ほかの部活の人が多い中で全国を目指すということで、難しい目標だったが、外部の人たちもすごく頑張ってくれて、1位を取れたので良かったです。レース展開は白山に利用されてしまったところがあったが、自分のタイムは良くも悪くもなく区間賞が取れてよかった。2区で先頭に出て逃げ切るというプランだった。今、怪我明けで、全国ではもう少し良いタイムで走れると思うので、また1位を狙って頑張ります」と話した。
4区区間賞の河田君はサッカー部から参加。「県優勝、全国大会出場を目標にやってきて、結果につながったので良かった。全国大会でも自分が出来る精一杯の走りをして、良い結果を出したい」と話した。
アンカーの川越君は「接戦で、緊張がすごかった。今までみんなと練習してきた時間や思い出が襷にこもっているので、みんなの気持ちを持ってゴールテープを切りたいと思いました。全国もレベルが上がって接戦になると思いますが、みんなで練習してきた思いを忘れずに全力で走り抜けたい」と話した。
3位は久寺家(我孫子)、4位には古ヶ崎が入り、4位までが関東大会(12月5日、栃木県)に出場する。松戸市の代表校では、ほかに小金が9位、四中が12位、六中が17位に入る健闘を見せた。
学校対抗戦になった平成5年の第44回大会(それまでは支部対抗だった)以降、松戸勢の優勝は6回目。平成8年に小金南、10年に栗ヶ沢、15年に古ヶ崎、20年に四中、24年に旭町が優勝して以来、9年ぶりだった。この間、松戸の学校は12回準優勝しており、あと一歩のところで涙を飲むことが多かった。
女子アンカーで逆転
63校が参加し、5区間(1・5区3・1キロ、2~4区2・11キロ)、12・53キロで行われた女子は、1区の岩永青葉さんが区間14位(10分42秒)でスタート。1位の八木(流山)とは43秒差。2区の堀由佳さんは区間3位(7分23秒)の走りで、1位の五井(市原)まで11秒差の3位まで順位を押し上げた。3区の松島和花さんは区間2位(7分21秒)の走りで2位に浮上。先頭の五井までは同じく11秒差だった。4区の吉田葉澄さんも区間2位(7分37秒)で2位をキープ。3区・4区で連続区間賞をとってトップに躍り出た有秋(市原)とは13秒差で5区アンカーの渡辺光桃さんに襷をつないだ。渡辺さんは区間賞(10分41秒)の走りで、有秋を逆転。逆に13秒の差をつけてゴールした。優勝タイムは43分44秒。
常盤平女子は、全員が駅伝部。4区を走った3年の吉田さん以外は全員2年生。
主将の堀真緒さん(3年)は出場しなかったが、「後輩や同級生が笑顔で速く走っているのを見て夢のようでした。応援することで一緒に戦えたので、全く悔いはないです。全国大会は、走る側も応援する側も全力で楽しめる大会にしたい」と話した。
5区区間賞で逆転優勝に導いた渡辺さんは、序盤で沿道の声援に笑顔で応えるなど余裕を見せていた。前を走る有秋を抜くシーンではさすがに険しい表情に変わった。しばらく並走が続いたが、競技場に入る手前で2度目のスパートをかけて引き離した。「最初の500メートルは笑顔で走ろうと思っていました。競技場でみんなの声援が聞こえて、行けると思いました。ずっと目標にしていた全国だったので、本当にみんなの力だなと思います。どの学校にもどの部活にも負けない仲の良いチームです。全国大会では先輩方の分も走らせていただくと思うので、先輩方と保護者の皆さんに感謝を伝えられるような走りがしたいと思います」と話した。
3位は五井、4位は白山が入った。4位までが関東大会に出場する。
松戸市の代表校では、ほかに六中が10位、六実が11位、三中が24位、小金南が28位だった。
学校対抗戦になった平成5年の第8回大会以降で、松戸の学校が優勝するのは初めて。準優勝は3回。平成5年と11年に旭町。19年の第22回大会で一中が準優勝した時は、小見川(香取)にわずか2秒差で敗れた。
常盤平を率いて6年目の蓑和廣太朗監督は、平成17年の第56回大会で和名ヶ谷が準優勝した時の選手で、市立松戸高校、東洋大で競技を続けた。
「チームとしていい状態で、今後も続いていくのではと思います。女子は松戸市では史上初の優勝。市内駅伝が終わってから、生徒には松戸の歴史を塗り替えるぞ、と話していました。もともと主力の2人は強かったが、夏のトラックシーズンが終わってから、3人から5人目までが一気に力をつけてきた。優勝を狙えると生徒に話していました。1区ではライバルとなる五井中と20秒以内、2区・3区で先頭に立つというイメージでした。アンカーでは先頭と20秒以内なら絶対優勝できるから、と話していたので、本当にレースプランどおりできました。男子では、久寺家が優勝候補だと思っていたので、久寺家との差を意識していたんですが、力のある白山がライバルとなって、最後アンカーの川越君が本当に1秒を削りだす走りで優勝を勝ち取ってくれて非常に嬉しいです。今まで駅伝の鉄則として夏は走り込むということをやってきていたのですが、今年はコロナのこともありますし、夏もどんどん暑くなってきているので、走り込むことはできないと思い、体の動き作りやスピードトレーニングに重点を置きました。たぶん他の学校よりも走ってる量はかなり少ないのではないかと思います。仲の良いチームなので、チームワークと勝ちたいという気持ちが優勝につながったと思います。毎年千葉県から全国に出場するチームは入賞していますので、一つでも上の順位を目指して優勝目指してがんばりたいと思います」と話した。