コロナ禍で無期延期の市民劇団40周年公演
制作記録を公開

制作記録の一場面。「ひぐらし食堂」の通し稽古

 昨年3月7日と8日に森のホール21小ホールで公演を予定していたNPO法人松戸市民劇団創立40周年記念公演「ひぐらし食堂」は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で無期延期となっていたが、このほど制作記録の動画がYouTubeで公開された。
 この作品は、劇団員OBの名誉団員・長谷川貞雄さん(昭和7年生)が、自らの戦中・戦後体験をもとに、同劇団にあてて書いたもの。両親がかつて日暮里駅前で食堂を経営していたこともあり、それがこの作品の舞台「ひぐらし食堂」の背景となっている。長谷川さんは、同公演の上演を楽しみにされていたが、昨年12月29日に亡くなられた。
 物語は終戦間もない昭和21年、戦争の傷跡がまだまだ残っている東京の下町が舞台。駅前で食堂を経営する夫婦の娘の清子は、日系2世のアメリカ兵を家に招待したいと言い出し、両親はあわてるが、心温まる交流に。そんな優しい夫婦を、戦争で親とはぐれた孤独な少女綾子が慕ってくるようになり、元特攻隊員で生き残った英輔は彼女をかばう。ある日食堂の不良息子邦夫が地元のヤクザにこてんぱんにやられて大ケガ。英輔は邦夫にかわってヤクザへの報復に向かう。
 動画では、配役の紹介や通し稽古、大道具の仮組み立ての様子などが紹介されている。
【戸田 照朗】

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