チューニング 2017年10月22日

 1910年代のイギリスで、女性参政権獲得のために闘った女性たちの姿を描いた映画「未来を花束にして」▼夫と幼い息子とともにつましく暮らす主人公の女性は、洗濯工場で働いている。環境は劣悪で低賃金、長時間の重労働。12~13歳から工場で働き始め、20代の半ばにして、もう体はボロボロ。若くして亡くなる女性も少なくない。それでも、受け入れて生きるしかないとあきらめていた彼女だが、ある出来事をきっかけに運動に入っていく▼彼女は公安警察に目をつけられ、多くの大切なものを失う。絶望的な状況の中、仲間が命を投げ打って起こした、ある悲劇的な事件が、運動が進展する契機となった。イギリスで完全な女性参政権が認められたのは1928年。日本は1945年だ▼当時のイギリスでは、女性には親権もなかった。12歳から働いていたことを考えると、教育を受ける権利も十分ではなかったのだろう▼17日に市民会館で行われた松戸自主夜間中学校開講3000回記念授業で、前文部科学事務次官の前川喜平氏の講演を聴いた。憲法の理想と理念を実現するために教育は非常に大切。アメリカに押し付けられたと言う人もいる日本国憲法だが、教育を受ける権利は合衆国憲法には記載がなく、日本独自のものだという。

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