チューニング 2021年3月28日

 物事が順調に進まないとますますサボってしまう、という経験はないだろうか。今やらなければ事態は悪くなるだけ、と十二分にわかっているのに、つい余計なことをしてしまう。結局、現実逃避した気分を取り戻すには、元のレールに戻ってやるべき事をクリアするしかない▼2019年の参院選挙での買収容疑などに問われていた元法務大臣・河井克行被告が公判で一転して容疑を認め、議員辞職する意向だという。妻の案里氏は既に有罪が確定して参院議員を失職している▼だが、買収の原資となったと思われる1億5千万円もの金がなぜ夫妻に渡されたのかなど、真相の本丸と思われる部分については分からないまま終わるのでは、というあきらめが先に立ってしまう▼というのも森友・加計学園や「桜を見る会」の問題など、疑惑が晴れないまま、うやむやに通り過ぎてしまった問題があまりに多すぎるからだ。コロナ対策で配られた、いわゆるアベノマスクでも発注先の業者との関係に疑問符がついた▼河井夫妻が買収に及んだ参院選当時の総理・総裁は安倍氏で、官房長官は今の菅首相。幹部には「他山の石」発言の二階幹事長がいた▼元のレールに戻していくにはどうしたらいいのか。厭世気分にばかり浸ってはいられないと思う。

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