チューニング 2021年2月28日
五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が12日女性蔑視発言の責任をとって辞任した▼10日は「えひめ丸」の事故から20周年。宇和島水産高校の漁業演習船「えひめ丸」に米軍の原子力潜水艦が衝突。生徒と教員9人が犠牲になった。事故の報告を受けてもゴルフを続けた当時の森首相は大変な批判を浴びて辞任した。今回のことで、あいかわらず鈍い人だと思った。どうしてこの人が会長に選ばれたのだろう▼無観客でも五輪が開催できれば莫大なテレビ放映権料が入る国際オリンピック委員会は御の字だろう。しかし、入場料が入らなければ日本は大赤字だという。変異ウイルスの流行も懸念されるなか、日本にとって何がベストの選択なのか、新会長には、中止も含めて冷静に判断できる人を、と期待したが、選ばれたのは森氏を師と仰ぐ橋本聖子氏だった▼医療従事者へのワクチン接種が始まったが、世界的な供給不足で、一般の国民はいつになるのかわからない。緊急事態宣言の解除はどうするのか。記者会見に消極的な菅首相からはメッセージが伝わらない。総務省と長男の件を記者につっこまれるのが嫌なのかもしれないが、国民の命とどちらが大切なのか。涙ながらに危機感を訴えたドイツのメルケル首相とは対照的だ。