松戸市立総合医療センター竣工
11月26日に一般内覧会

完成した松戸市立総合医療センター

 新しい市立病院として千駄堀に建設が進められてきた「松戸市立総合医療センター」(千駄堀993―1)がこのほど竣工を迎え、10月5日、報道機関に公開された。
 11月25日に記念式典と関係者内覧会、翌26日に一般内覧会が行われ、12月27日の開院・外来診療開始(前日に患者移送実施)が予定されている。
 新病院建設を巡っては、現市立病院の耐震強度不足により建て替えの必要性が指摘されてか

1Fエントランス

ら長い年月が費やされた。その間、東松戸への移転建て替え、現地建て替えなど計画は二転三転し、建設が行われた千駄堀も突如浮上した案だった。千駄堀での建設が決まった後も、設計・施工の一括発注公募で参加表明していた建設業者3社がいずれも辞退するなど、その混乱は続いたが、2015年12月に建設工事は着工。その後工事は順調に進み、9月29日に竣工・引き渡しとなり、この日報道機関に公開された。

1F小児外来

 松戸市立総合医療センターは、現市立病院から松戸市運動公園方面へ進んだ先に建設された。敷地面積5万5750平方メートル、延床面積4万7020平方メートル、鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)免震構造の地上9階建てで、屋上にはヘリポートが設けられている。市の公共施設では初めての免震建築物となる。

 メインエントランスから入ると、すぐに2階に上がるエスカレーターがあり、左手に総合受付、

プレイルーム

右手には小児外来が配置されている。その他1階部分には、救命救急センター外来、松戸市夜間小児急病センター、売店(コンビニエンスストア)、一般・職員レストランなどがある。
 診療科目は、診療科30科、院内標榜2科。病床数は600床で、現市立病院(613床)とほぼ同じ規模だが、小児の病床数は60床から80床に増床している。

 1部屋4床が最大で、一般個室のほか特別室

4FGCU

も5部屋設けられている。一般個室は市民8千円、市外1万2千円、特別室は市民2万円、市外3万円の差額ベッド料で利用できる。
 新病院は全体的に通路なども広めのスペースがとられ、病室の配置やオペ室など至るところに、現場で働く医師やスタッフの意見も取り入れられたという。
 また、外来受付などには病院近くの松戸市立第六中学校の生徒による作品がオブジェとして壁面などに取り入れられているほか、小児外来は海を

地下にある免震装置

モチーフにした壁面を採用し、子どもたちの興味を引く空間を演出している。

 その他、リハビリ室は中庭(デッキ)にも出られる造りになっていたり、配置的に窓がないGCU (継続保育室、新生児治療回復室。NⅠCUで容態が安定した新生児が退院準備をする施設)には光の照度や色温度などを自動制御するサーカディアン照明が採用されている。(※NICU=極小体重の未熟児や重篤な呼吸・循環器障害をもつ新生児を扱う集中治療室)
 大型医療機器などに関しては、これから12月までにかけて順次、据付・備品搬入を行っていくという。

 11月26日の一般内覧会(順路設定自由見学方式)は午前9時から午後4時までを予定(最終入場は午後3時30分)。当日は、北松戸駅、八柱駅から無料送迎バスも運行される。松戸市発行の広報まつど、新聞折り込み広告、鉄道駅ポスター掲示などで今後、周知を図っていく。
 問い合わせは、☎047・301・7311松戸市病院事業管理局新病院開設課まで。
【竹中 景太】

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