新型コロナ影響続く
臨時休校、市主催イベントなど中止に

 WHO(世界保健機関)がパンデミック(世界的な大流行)を宣言するなど、世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス。国内での感染者数も800人を超え、千葉県内では32人、松戸市内では7人の感染者が確認されている(厚生労働省、千葉県、松戸市の各HPより3月17日現在)。【竹中 景太】

県内、市内でも感染者

3日から休館している松戸市立博物館

 千葉県では「新型コロナウイルス感染症患者の発生について」として、県内の感染者の概要を公表している。それによると、松戸市内の感染者は7例(人)で、そのなかで最初に公表されたのは都内勤務の40代会社員男性(県内11例目として2月23日公表)。当初は東葛北部医療圏の居住地と公表されたがその後、松戸市に変わった。
この男性の場合は、症状・経過として、2月12日から22日までの行動歴として『2月12日=関節痛、筋肉痛が出現。広島県へ出張』『2月22日=検査の結果、陽性と判明』などと記されているほか、「発症前2週間以内に海外渡航歴はなく、肺炎患者との明確な接触も確認されていない。発症後はマスクを着用していた」ことなどが公表されている。
 その他の市内感染者は発表順に、都内勤務の20代保育士女性、市外福祉事業所等の非常勤職員の40代男性、2月21日から28日までエジプトへツアー旅行に出かけた70代男性と60代女性の夫婦、市外勤務の60代会社員男性と同居家族の50代女性、となっている。

「さくらまつり」も中止

 松戸市では、新型コロナウイルスの感染防止に向けて、本郷谷健次市長を本部長とする「松戸市感染症対策本部」を設置し、これまでに3月中の市主催イベントの中止などを決めている。また、市立の小・中学校及び高等学校については臨時休校とし、卒業式についても規模を縮小する形で行うなど、感染拡大防止策に努めている。
 イベントに関しては、市の主催イベント以外も軒並み中止または延期となっている。この時期の風物詩、市内各地で行われる「さくらまつり」もすでに中止が決まっている。
 4月以降のイベントについては対策本部で3月上旬に方針を決定する予定だったが、日々刻々と変化する情勢に未だ検討中。政府の方針や発表を待って、その方針を示したいとしている。
 学校の臨時休校については、小・中学校で3月2日から、高等学校では3月3日から、その措置が取られている。いずれも春休み前日の24日までを期間としている。卒業式は小学校が3月18日、中学校で12日、高校は9日に実施したが、来賓は呼ばず、保護者も最小人員での参加を呼びかけて、内容も短縮できる部分は各学校の裁量で省いて行い、高校においては保護者も不参加で卒業生の式を挙行したという。今のところ、入学式(4月6日)も予定通り行いたいとしている。

市、感染予防を呼びかけ

 松戸市では「市民の皆様へ」として、新型コロナウイルス感染症の現時点で把握している特徴(2月25日時点)と、その予防を呼びかけている。
 その特徴はつぎのとおり。
 ▽感染の仕方…一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。空気感染は起きていないと考えられています。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどがなくても感染を拡大させるリスクがあります。
 ▽感染力…感染力は事例によって様々です。一部に、特定の方から多くの人に感染したと疑われる事例がある一方で、多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させていません。
 ▽一般的な症状と重症化するリスク…発熱や呼吸器症状が1週間前後つづくことが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多くなっています。季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。羅患しても軽症であったり、治癒(ちゆ)する例も多いとされています。一方、重症度は、致死率がきわめて高い感染症(エボラ出血熱等)ほどではないものの、季節性インフルエンザと比べて高いリスクがあります。特に、高齢者や基礎疾患をお持ちの方では重症化するリスクが高まります。
 また、予防としては、「風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。基本的な感染症対策に努めていただくようお願いいたします。風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず外出される場合にはマスクを着用していただくようお願いします」と呼びかけている。
 19日より市は「松戸市新型コロナウイルス感染症相談専用ダイヤル」を設置。☎047・710・4107で平日の午前8時30分から午後5時まで相談を受け付ける。聴覚の障がいなどで電話が難しい方は、FAX047・704・0251か、市のホームページの問い合わせフォームが利用できる。

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