チューニング 2019年10月27日
母が入院するというので、しばらく大分の実家に帰っていた。地元には大きな病院がなく、豊肥線の豊後竹田から三重町まで片道約30分汽車に揺られて毎日見舞いに出かけた。途中には朝地、緒方、豊後清川という3つの駅がある▼ほぼ毎日外国人観光客と乗り合わせた。ラグビーワールドカップ開催中で、大分市では予選から準々決勝まで5試合が行われた。ラグビーの強豪国から来ているのだろう、白人の落ち着いた中年の男女が多かった▼会場のある大分市から豊後竹田までは1時間。三重町まででも30分はかかる。ラグビーは試合の間隔が空くため、試合のない日に、のんびり観光を楽しんでいるのだろう▼豊後竹田なら「岡城」、緒方なら「原尻の滝」とだいたい目的地の見当がつくが、朝地、豊後清川で降りた人たちは、どこに行ったのだろう。地元の私でさえ、すぐには思いつかない。それでも、めったに観光客が降りない駅にまで来てくれるなんて、ありがたいことだと思う▼ワールドカップは国開催なので田舎にも恩恵がある。一方、五輪は都市開催なので東京にしか恩恵がなく、今更マラソンと競歩の会場を札幌に移そうとして混乱している▼どうせ国の税金をつぎこむのだから、五輪も国開催にしてはどうかと思う。