「矢切耕地は貴重」
「まちづくり委」が答申
第12回松戸駅周辺まちづくり委員会(委員長=横張真・東京大学大学院工学系研究科教授)がさきごろ行われ、市より諮問のあった「(仮称)矢切の渡し公園計画の策定」への答申を本郷谷健次市長に行った。
(仮称)矢切の渡し公園計画は、矢切の渡し船着場(松戸側)すぐ近くの矢切耕地6・7ヘクタールに、松戸中央公園とほぼ同規模の公園と道の駅などの観光交流拠点を設置するというもの。前回(第11回)の同委員会(昨年8月8日開催)で市執行部より提示されたが、委員からは「コンパクトシティが叫ばれている中で、市街化調整区域への都市公園の新設は受け入れがたい」「都心から最も近い、農地が広がっている矢切エリア。公園を作るのではなく、むしろ矢切地域全体を公園に見立て整備するべき。発想が古い」「公園を作ると管理費もかかる。この計画は考え直した方がいい。市の財政を圧迫することになる」などと厳しい意見が出されていた。
答申書では、同公園計画地を含む矢切耕地は松戸市のみならず首都圏近郊エリアにおいても極めて貴重な存在であるとし、外環道の開通を契機とした開発圧力の高まり等に起因する利用形態の無秩序な流動化を懸念。その上で、矢切耕地全体のあるべき将来像や、地域の将来像を実現するために必要となる「公園としての役割」の整理、また上位計画との整合を常に留意しつつ慎重な検討を行うこと、などを求める内容となっている。
この日の委員会でも委員から、開発ではなく首都圏近郊にある貴重な緑を子どもたちに残す施策、自然と共生した持続可能な施策を、などと公園計画の見直しを求める意見が相次いで出された。
市では答申を受け、同計画についての検討を行うが、公園の用地確保については今後も進めるという。【竹中 景太】