チューニング 2019年3月24日
松戸市に夜間中学校をつくる市民の会の前代表、藤田恭平さんが12日に亡くなられた。来月には待望の市立夜間中学(第一中学みらい分校)が開校するという矢先に逝ってしまわれた▼私が松戸自主夜間中学を取材するようになったのは、1998年に松戸自主夜中が読売教育賞を受賞したことがきっかけだった。取材を申し込むと、藤田さんは「ちょっと見ただけでは分からない。もっとじっくり取材してから書いてくれないか」と言われた。「今号のネタが足りなくなるなぁ」などと思いつつ、私は助言に従い、数か月をかけて取材することにした。そして、出来上がった新聞を読んで「なかなか格調高い記事です」とほめてくださった▼私はもともと記者ではなかった。弊社に入るまでは東京の編集プロダクションで雑誌の編集などをしていた。原稿を書く訓練をちゃんと受けたことがない、ということをどこか引け目に感じていた。だから、毎日新聞の月刊『教育の森』の元編集長で、編集委員まで務めた藤田さんがほめてくださったことがとても嬉しく、また自信になった▼私は生徒として松戸自主夜中に通ったことはないが、取材を通していろいろなことを学ばせていただいたように思う。藤田さん、本当にありがとうございました。