チューニング 2019年1月13日

 5月から新元号に変わる。元号が変わるからといって何か大きな変化があるというものでもない。しかし、時代のイメージというものは、確かにある▼あくまで私の主観だが、明治は無理にでも近代化を急がねばならなかった厳しい時代。大正は「大正デモクラシー」に代表されるように、明るく軽やかな時代。昭和は、20年までは軍国主義と敗戦という暗く恐ろしい時代。20年以降は、奇跡的な復興が、バブル経済へと突き進み、安保闘争など、民主主義と平和主義の模索が続いた激動の時代。まだ、平成という時代には明確なイメージがわかないが、先日のTBSテレビ「サンデーモーニング」では、昭和の負の遺産(バブル)を精算しようとして、できなかった時代、と分析していた▼長い目で見れば、明治の富国強兵政策の帰結が太平洋戦争の敗戦で、戦後の高度経済成長の帰結がバブル経済の崩壊だった感じがする。明治元年から昭和20年までが77年。昭和20年から平成30年までが73年である▼平成元年2月9日に手塚治虫が、6月24日に美空ひばりが亡くなった。そして11月9日にベルリンの壁が崩壊した。平成元年には、確かに昭和の終わりと新しい時代の始まりを感じた。現在の混沌(こんとん)など、思いもよらなかった。

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