第11回松戸駅周辺まちづくり委員会
市「矢切の渡し公園」提案
「発想が古い」「財政を圧迫」委員から厳しい声
第11回松戸駅周辺まちづくり委員会(委員長=横張真・東京大学大学院工学系研究科教授)が8日、市役所新館5階市民サロンで行われ、市庁舎移転を含む「新拠点ゾーン整備基本計画」の策定について協議したほか、市側より「(仮称)矢切の渡し公園基本計画素案」が委員に示された。新拠点ゾーンについては今年度中に素案をまとめ来年度には市民説明会等を、矢切の渡し公園については今年度中に実施設計を行い来年度以降の工事着工を目指している。
新拠点ゾーンは、松戸駅周辺の老朽化した文化施設の再編及び庁舎の移転によって、多世代・多様な市民が交流しつつ、多彩な都市活動・市民活動・文化活動を創り出し(クリエイトし)、発信する中心拠点をつくることなどを基本方針に掲げ、松戸駅東口の官舎跡地や松戸中央公園周辺に整備することが検討されている。市では2014年度に同委員会を発足させ、翌2015年度に「松戸駅周辺まちづくり基本構想」を策定。今年3月には新拠点ゾーン整備基本構想を策定している。
その一方で、松戸駅周辺地域は国の都市再生緊急整備地域の候補になっていることから、その指定を目指す取り組みを並行して行っていく。市によると、同地域指定になると都市再生特別地区の指定が可能となり、都市計画法の特例として、自由度の高い計画を定めることができるほか、税制の特例や金融支援も受けられるという。市では今年度中は候補地域としての取り組みを進め、来年度の指定を目指していくことにしている。
また、「(仮称)矢切の渡し公園基本計画素案」によると、同公園が計画されているのは、矢切の渡し船着場(松戸側)すぐ近くの矢切耕地で、総事業面積は6・7ヘクタール。このうち公園用地は約2ヘクタールで、市内の公園では松戸中央公園とほぼ同規模になるという。残りの用地には道の駅などの観光交流拠点の設置が検討されている。
公園内の設備としては、エントランス広場、遊具などを置いた遊びの広場、軽トラ市などが行えるマルシェ広場、管理棟などを基本プランとしている。
委員会では、スライドを使い、これら計画の概要が委員に示されたが、横張委員長をはじめとした委員からは「コンパクトシティが叫ばれている中で、市街化調整区域への都市公園の新設は受け入れがたい」「都心から最も近い、農地が広がっている矢切エリア。公園を作るのではなく、むしろ矢切地域全体を公園に見立て整備するべき。発想が古い」「公園を作ると管理費もかかる。この計画は考え直した方がいい。市の財政を圧迫することになる」など、相次いで厳しい意見が出され、その必要性が問われる形となった。市では、時期はまだ未定だが、次回以降の同委員会で説明を続けていきたいとしている。
【竹中 景太】