県立松戸高校演劇部 全国大会へ
8月2日に市民会館で地元公演

 

全国大会に出場する県立松戸高校演劇部

 県立松戸高校演劇部が8月7日から9日まで長野県上田市のサントミューゼ上田市交流文化芸術センター大ホールで開催される第64回全国高等学校演劇大会・第42回全国高等学校総合文化祭演劇部門に関東ブロック代表として出場する。同校の全国大会出場は3年ぶり2度目。全国大会には12校が出場。同校は3日目、9日午前11時10分から上演予定で、12番目の大トリを務める。上位4校は国立劇場で上演することができる。また、8月2日午前10時から松戸市民会館で地元公演(入場無料)が行われる。
 昨年11月の県大会で最優秀賞(県知事賞)を獲得し、関東大会南会場へ進み、関東大会でも最優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞した。

「Time After Time~インディアンサマーより~」の練習をする部員

 上演するのは「Time After Time~インディアンサマーより~」。演劇部顧問の阿部順教諭が書いたオリジナル作品で、不登校の生徒を何とか学校に来させようと奮闘する友人の姿や友情、二人を取り巻く生徒たち、そして二人の25年後を描いている。同校のオリジナル作品での大会出場はここ15年では初めてだという。
 関東大会は1月に行われるため、出場した3年生は夏の全国大会には出られない。新3年生を中心に新キャスト・スタッフで夏の全国大会に臨む学校もある。同校では前年の6月に3年生が部活を引退。地区大会から2年生中心のメンバーで作り、全国大会も同じキャスト・スタッフで臨むことができる。また、同校には選択教科に演劇の授業があることも強みだ。演劇部の部員は40人で、うち12人が3年生。

「Time After Time~インディアンサマーより~」の練習をする部員

 部長で、親の事情で高校を辞めた原田和美を演じる外尾風音(ほかおかざね)さん(3年)は、「同じ高校生を演じるので、役の気持ちは自分が一番よくわかる。その気持ちを深く追求していきたい。この作品は高校3年生の話ですが、今年は自分たちが3年生という本当に同じ立場に立った。関東大会から約半年。ここまで役について考える時間がすごくあって、個人個人で役を深めていると思う。このメンバーでやるのはおそらく最後。今までやってきたことの集大成として、悔いが残らないようにやることが一番です。私が一番見て欲しい人は、(春に異動した)元顧問の小室秀一先生。そのためにも国立劇場にいきたい。こんなにみんなで一生懸命になることもないと思うので、これからの練習を本当に力を入れてがんばっていきたい」。

「Time After Time~インディアンサマーより~」を練習する部員

 主役の不登校になってしまった桑原夕子を演じる栗原七海(くりはらななみ)さん(同)は、「私は今まで不登校になったことがなく、何不自由なく学校生活を送ってきた幸せ者でした。なんで不登校になってしまう子がいるのかとか、不登校になる子はどんな心境なのか、なんで来れないのか、というのを理解しないとこの役はできない。お客さんの心に響く演技をするためにも、とにかくそれを考えました。テーマは重いけど、最後のシリアスなシーン以外はコミカルにテンポよく進むので、見ている人も楽しんでくれると思う」。
 夕子を学校に戻そうとする友人・高村朝香を演じる髙橋菜々香(たかはしななか)さん(同)は、「役は明るいキャラクターで、みんなからいつもの菜々香と変わらないと言われる。自分の素のものを出していければと思う。小学生の時に、あまり学校でいい思いをしていなかったので、この劇に共感するところがある。見る人もそんな気持ちで見ていただけたら、この劇に寄り添っていただけるのかなと思う。このメンバーが大好きで、このメンバーとならどこまでもやっていけると思っているので、心配はしていません。全国大会という最高の舞台でみんなでやり切れたらいいと思う」。
 【戸田 照朗】

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